スポーツの選手名鑑が好きなら是非に。
けして安い本ではないですが、資料的価値は抜群。
図書館とかにあるタイプの本ですね。落語がある程度好きなら楽しめると思います。
いわゆる、噺家のルーツをさぐれる本です。
三笑亭可楽という名前が、どこでどうやって受け継がれ、今の九代目までたどり着いたのか。その流れがファンにはたまりません。
あたくしなんかも、読みながら「あぁ、先代の文治、好きだったなぁ」とか「圓朝十哲というけど、本当に大名跡だなぁ」とか、色々考えながらニヤニヤするので妻に気味悪がられています。
また、解説もまったく珠玉の目からうろこ情報満載で、量も質も他の追随をゆるさないほど。
これだけ落語を、感じ、知っていて、教えられる人はいないのではないかと思うほどです。
あと、本中に登場する噺家番付で、右大臣が圓朝なのは分かりますが、左大臣は柳亭燕枝という名跡だそうな。
恥ずかしながら全く知りませんでした。
調べたら、初代の圓朝とライバルの方で、二人はいわゆる三遊亭と柳派の対決のような構図だったそうな。
この方は創作も出来て、『島鵆沖白浪(しまちどりおきのしらなみ)』はその一つだとか。
しかし、今ではこの噺、演る人は殆どいない(三三師匠がやったらしいですが)のが残念ですね。ここが圓朝師匠との違いでしょうか。
これも常に手元においておきたい本ですね。
ただ、値段がすごいので、当分は置けないのが情けないところ。
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