『掟上今日子の備忘録』 今日子さんの隙がまた堪らない…

ドラマから入ったんですが、結構面白かったです。

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掟上今日子―またの名を、忘却探偵。すべてを一日で忘れる彼女は、事件を(ほぼ)即日解決!あらゆる事件に巻き込まれ、常に犯人として疑われてしまう不遇の青年・隠館厄介は今日も叫ぶ。「探偵を呼ばせてください―!!」スピーディーな展開と、忘却の儚さ。果たして今日子さんは、事件の概要を忘れる前に解決できるのか?「化物語」「めだかボックス」の西尾維新がおくる新シリーズは探偵物語!

西尾維新の代表作が『めだかボックス』という説明はどうかと思うけど。

西尾維新らしい型破りさがありながら、小奇麗にまとまっているといのが印象です。
面白いんだけど、突き抜ける何かは無かった、とも言えます。

戯れ言的に言葉遊びはふんだんで、なおかつミステリーとしてもそれなりの粋ではあるのですが、いかんせん小奇麗に小さく纏まっていすぎていて意外性がなさ過ぎる。
というのは注文の付け過ぎかしら。
及第点ではもちろんあるんだけど、それ以上ではないというのがなんとも。

旨いんだけどコクがないカレー、みたいな感じかしら。
もちろん、面白かったことは大前提として。どうして「残念」な感想しか出てこないのかしら。

オッカムの剃刀
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テータテート
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烏有に帰す
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なんて、なかなか聞かないフレーズ。勉強になります。ちなみに
オッカムの剃刀:「必要が無いなら多くのものを定立してはならない。少数の論理でよい場合は多数の論理を定立してはならない。」という指針のこと。
テータテート:「差し向かい」の意
烏有に帰す:すっかりなくなる。特に、火災で焼けることにいう。
ということだそう。日常会話でそっと出てきたらかっこいい。

 死んだ人間を、小説の中で生かし続ける……普通に聞いたら、一笑に付すような話だったかもしれない。あるいは、知り合いをモデルにしたキャラクターを登場させるなんて、よくある話だと、聞き流すこともできたかもしれない。
だが僕にはこの推理を、笑うことも、聞き流すこともできなかった。それは須永先生が、旧姓桃田朝美を、脇役として描いたからだ。小説になるような事件の起こる世界観において、あくまで脇役として──登場人物表にも名前が載らないような脇役として、平凡でつつましい人生を、彼女に送らせていたからだ。結婚もさせて、家庭も持たせて──当然のように幸せにしていることが、衝撃的でさえあった。
当たり前の人間として。
平凡に描いたことが──素晴らしいと思う。
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この辺とか、綺麗なところに落としすぎなんですよね。「平凡が素晴らしい」なんて、教科書的過ぎて毒味にかける。
無化調のラーメン食っているような物足りなさが、そこにはあったりして。

はて、どうしてこんなに文句つけなきゃならぬのかしら。
及第点以上、70点はとってるのにね。ドラマが面白かったから?西尾維新だから?

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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