『女生徒』 この太宰のキラキラ感に男の脇の臭さを感じる

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これを読んで「違和感ない!すごい!」とは到底思えません。

「無頼派」「新戯作派」の破滅型作家を代表する昭和初期の小説家、太宰治の短編。初出は「文學界」[1939(昭和14)年]。5月1日の起床から就寝までの少女の一日を描いた話で、少女の心理の移り行く様を丹念に写し取っている。当時、文芸時評を担当していた川端康成は、「「女生徒」のやうな作品に出会へることは、時評家の偶然の幸福なのである」と賛辞を送った

正直、違和感ありまくり。
そもそもひげも生えたおっさんが恐れ多くも女生徒になりきって日記を書くこと自体がもはや違和感しかありません。

そしてこの主人公。
どこか達観しているようでどこかおっさんくさい。
目をキラキラさせながら、脇毛ボーボー感があります。

ちょっとした下着の可愛らしさなんかに誇らしさを感じたり、男性的なところに嫌悪感を覚えたり。
そういうのは感覚として女生徒自身が覚えるにはいいのですが、それをおっさんが書いていると、今風に言うとどこかネカマ臭くっていけない。

歌舞伎だって女を男が演りますが、それにとは異質の気持ち悪さがあります。
理想化された女性を男性が女性一人称で書く。これほど恥ずかしいことがありますか。
恥の多い人生を送ってきたことが太宰の代名詞ではありますけれどもね。

自分で、いつも自分の眼鏡が厭だと思っているゆえか、目の美しいことが、一ばんいいと思われる。鼻が無くても、口が隠されていても、目が、その目を見ていると、もっと自分が美しく生きなければと思わせるような目であれば、いいと思っている。私の目は、ただ大きいだけで、なんにもならない。じっと自分の目を見ていると、がっかりする。
at location 36

このへんの表現などはリアリティがあってすごいなぁ、上手だなぁと感心しきり。
表現力や感受性・共感性の高さが太宰のすごいところですよね。

きのう縫い上げた新しい下着を着る。胸のところに、小さい白い薔薇の花を刺繡して置いた。上衣を着ちゃうと、この刺繡見えなくなる。誰にもわからない。得意である。
at location 65

お、ちょっと、おっさんくささが出てきたぞ。

美しさに、内容なんてあってたまるものか。純粋の美しさは、いつも無意味で、無道徳だ。きまっている。だから、私は、ロココが好きだ。
at location 438

これなんぞ、完全におっさんが出ている気がする。
おい、おっさん!

おやすみなさい。私は、王子さまのいないシンデレラ姫。あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか? もう、ふたたびお目にかかりません。
at location 672

そして止めのこのセリフ。
名台詞ですが、おっさん全開でしょう。
アスカ風にいうなら、「……気持ち悪い」です。あくまで、共感性が高すぎて、ですが。

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都内在住のおじさん。 2児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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