『キス・キス』 ロアルド・ダール氏の傑作、のはずなんだけど……

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ちょっとあたくしには早かったかもしれない……

残酷で、皮肉で、冷徹で、透明な、ロアルド・ダールの短篇世界。一度味わえば、その味わいは二度と忘れられないものとなる。「女主人」「誕生と破局」「ウィリアムとメアリイ」など、忘れ得ぬ11篇を収録

誰だったか著名なミステリー作家が、「ロアルド・ダールの『天国への道』こそが最高のミステリだ」的なことを言っていたのを覚えていて、それで購入。

読んだんですけどね。正直、イマイチでした。

「でも、いつも用意だけはしておきますの。夜となく昼となく、この家へ、若い紳士の方がいつおいでになってもいいように、何もかも用意してあります。だから、それはうれしいのよ、あなた。ときどき、扉をあけてみると、誰かがちゃあーんとそこに立っているのを目にした時は、そりゃあ、とても、とてもうれしいの」彼女は階段を半ば上り、欄干に片手をかけて黙りこむと、首をふりむけ、唇を蒼ざめさせている彼のほうを見下ろして、にっこり笑った。「ちょうど、あなたのような方がね」彼女はこうつけくわえ、彼女のブルーの視線はビリイの全身をゆっくりとなでまわして、足のあたりまで行き、また上に戻った。
at location 102

翻訳っぽい文章。村上春樹か、あんたは。と思ったら訳が開高健さん!?あの人かな。

読み慣れていないせいか、文章を想像するのに苦心するのです。なんだかリテラシー下がったかしらね。

彼女は車からとびだすと、片手に鍵をにぎったまま玄関の階段をかけあがった。鍵を鍵穴に入れて、ひねろうとしてふと手をとめた。頭をもたげると、夫人は化石のように動かない。大いそぎで鍵をまわし、家のなかへかけこもうとしたままの姿勢で、全身が硬直していた。そしてそのまま、夫人はじっとして待っている。五秒、六秒、七秒、八秒、九秒、十秒、彼女はじっとしていた。頭をもたげ、全身をこわばらせて、そこに立ちつくしている彼女の姿は、ついいましがた、家の奥のほうから聞えてきたある物音が、もう一度聞えてくるかと待ちかねているかに見えた。  そう──たしかに夫人は耳をすませていた。全身これ耳といっていいほどに。実際、彼女は片方の耳を扉に少しずつ近づけて、とうとう扉にぴったりと押しつけ、なお数秒の間、そのままじっとしていた。頭をもたげ、片耳をドアに押しつけ、片手に鍵、家の中にはいってはいないのだが、入りそうな姿勢、そしてその代わりに、家の奥から聞えてくるかすかな物音を、ききわけ、つきとめてやろうとしているかに見えた。
at location 1138

これが、この文章の最もスリリングなところなんですが。
正直、最初読んだときは何のことだかわかりませんでした。センスねぇな。

何回か読み直して、やっと意味がわかったくらい。だめね。

もう少し翻訳ミステリーに慣れてから再読しましょ。

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都内在住のおじさん。 2児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』
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