初夜

 えー、婚礼となると、昔と今ではだいぶ考え方が違いまして。
 あるところに、花嫁さんはいくらか男を知っていて、婿さんがまったく女を知らない新婚さんがいました。
つつがなく婚礼もすませて、めでたく床に一緒につきます。
 嫁さんの方は今か今かと待ち構えていますが、婿さんはワクワクオタオタするばかり。何がどうしてどうなるか、まるきり見当がつきませんから、嫁さんの腹の上へ登って、ナニをとりあえず振り回しているうちに、はずみで上手く命中してズブリ!
 驚いたのは初体験の婿さん。飛び起きるやいなや、あわてて家を飛び出して、友達のところへ隠れます。2・3日して、朝の早いうちにそっーっと近所に帰ります。そこらを通りかかった通行人に、
「あのー、ちょいと覗いますが」
「はい、はい、なんで?」
「この辺りで、3日ばかり前に婚礼をあげた夫婦をご存じですか?」
「あぁ、そういや、あそこの角の豆腐屋さんがそんなだったような。」
「そいで、そこの嫁が、腹の皮を突き破られたとか・・・」
「へぇーっ、そりゃあ、また、大変だ」
「そこで、その後命に別状がないか、ご存知ありませんか?」

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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