『白酒・一之輔毒吐き二人会 昼の部』 まさに旬な二人会。素晴らしい企画ですよ。

今、最も旬な二人でしょう。
この二人を組み合わせた鶴川落語会さんに共感と感謝です。

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テーマは「暑い」ということらしく。
あまり落語会にテーマが設定されていることを知りませんが、何にせよ、楽しみ。
暑い、ってぇことは、夏。
夏ってぇと、『たがや』『唐茄子屋政談』『船徳』あたりかなぁと思っていたら、案の定でした。いやぁ、聴きたかったのよ、『唐茄子屋政談』

ふう丈 牛ほめ

ふう丈さんの落語は何度目か。
よく当たるんだ、この方の前座に。

無難に牛ほめでした。ひねりも少なく、オーソドックスに前座をこなされていました。
この方がそのうち、自分の落語を話す時が楽しみです。

一之輔 夏泥

一之輔師匠の天然のフラとして、「厚かましさと可愛さが同居した人物」が抜群に面白く演れるというのがあると思います。
甚平さんが可愛らしく、また泥棒が厚かましく。

今回の夏泥は両方発揮されていましたね。
厚かましい住人と、可愛らしい泥棒。
次々にほだされていく泥棒の可愛らしさったら。ほっぺたをプーッとふくらませる師匠の得意技も観られたし、満足です。

白酒 宿屋の仇討

中トリは宿屋の仇討。
この噺、相撲取りのくだりと色事師のくだりに、どうスムーズに入るかが難しいところだと思うんですよ。あまりくどくど演らずにさらりと相撲に・色事師の話に、入る。
これが技の見せ所の一つです。

白酒師匠も、さすがの技でした。さらりと入ってじわじわ盛り上がってくる。
げんべーは色事師、色事師はげんべ♪
いいですなぁ。愉快で。阿呆らしい話が本当に笑えるのは白酒師匠の技があってこそ。

白酒 馬の田楽

ほとんど聞いたことのない噺でした。
舞台は江戸じゃないし、登場人物に熊八どころかよく出てくるような人はいない。
上方かな?と思いつつも、上方言葉でもないし。

調べたら小三治師匠が演ったものが音源に残っているんだとか。
今度聞いてみます。やんわりした、落語らしい落語でしたね。
江戸っ子も堺の商人も出てこない噺は、結構珍しいような。

一之輔 唐茄子屋政談

夏の大ネタといえばこれ。
一之輔師匠のは初めて聞きます。

志ん朝師匠の有名な「目でおせんべいを噛め」は出ませんでしたが、師匠らしいオーソドックスで王道な演り口。
吉原田んぼで一人浮かれる様が、切なさと後悔と旅愁と、あとちょっぴりの後悔とがにじみ出ていていい味わいでしたね。人間、そう簡単に根性は変わりません。

唐茄子を10個買うおじさんのエピソード。
「安倍川が実は大好きおじさん」の噺として演られることが多いと思うのですが、一之輔師匠の話では10個買わされていました。
持ちきれなくて頭にも載せる様ったら可笑しくて。
ちょっとしたアレンジが面白い、嬉しい。そんな唐茄子屋政談でした。

2015-07-25 16.14.23

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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