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兄さんは私のような凡庸な者の前に、頭を下げて涙を流すほどの正しい人です。それをあえてするほどの勇気をもった人です。それをあえてするのが当然だと判断するだけの識見を具えた人です。兄さんの頭は明か過ぎて、ややともすると自分を置き去りにして先へ行きたがります。心の他の道具が彼の理智と歩調を一つにして前へ進めないところに、兄さんの苦痛があるのです。人格から云えばそこに隙間があるのです。
いいフレーズですね。
漱石らしい、丁寧で芯を食う表現。
「兄さんの頭は明か過ぎて、ややともすると自分を置き去りにして先へ行きたがります。心の他の道具が彼の理智と歩調を一つにして前へ進めないところに、兄さんの苦痛があるのです。」
なんて、よくこういう言葉が思いつくものです。
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都内在住のおじさん。
3児の父。
座右の銘は『運も実力のウンチ』
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