中山祐次郎著『幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと 若き外科医が見つめた「いのち」の現場三百六十五日』感想 生への執着を捨てろ

現役外科医の小説家による、死との向き合い方の本。

人は必ず死ぬとしても、誰もが平均寿命ぐらいは生き、家族に見守られ、穏やかに旅立っていけると思っている。でもそんなことはない。明日、事故に遭うかもしれないし、病気で余命わずかと宣告されるかもしれない。著者は、突然、死に直面して混乱し、後悔を残したまま最期を迎える患者さんを多く看取ってきた。なんとかしたい、少しでも満ち足りた気持ちで旅立ってほしい——そんな想いに突き動かされ、幸せとは何か、今をどう生きるかを問う。若き外科医による、熱く清新なる「メメント モリ(死を想え)」。

まー、いつ死んだってね、いいように生きていかないとね。

どんな人がどうやって医者になる?

位置: 825
初めてメスを入れる前、必死で黙禱を捧げたのを記憶しています。 「解剖実習」が終わると、献体していただいたご遺体で勉強をさせてもらったわけですから、「ああ、なんだかもう医者になるんだなあ」と、後戻りができない哀しさのようなものを感じつつ、医師としての自覚が芽生えてきたような気になります。

最近、献体の前でピース写真をとってSNSにあげた人が炎上していたね。

位置: 837
そして大学五年生になると、いよいよ実際に白衣を着て聴診器を携え、キャンパスの隣の大学病院に実習に行きます。このあたりから気分はお医者さんです。「◎◎科」と名のつく二〇以上ものすべての科を、二週間ずつ回ります。そこでは自分で患者さんを受け持って、実際に診察しカルテに記載します。

そういうもんなんだね。二週間のローテーション。

「いのちを延ばす」を巡る葛藤

位置: 880
「いのちを延ばす」ことを至上目標にしている医師たちは、患者さんにも「一時間でも一分でも長く生きるのがいいことなのだ」と言って、治療にあたります。でも自分たちは「いのちを終えた方がまだマシ」という状態があることに同意している。なんとも皮肉なアンケート結果ですね。

でも、そこを考え始めたら手につかないからね。「とりあえず」の結論で動き出す必要もあるでしょう。尊厳死と尊厳生の問題は尽きない。

こころとからだへダブルパンチ

位置: 1,110
実際にがんが進行していくと、どんなことが起きるのでしょうか。
まず、こころとからだに同時に強い苦痛が生じます。
注目していただきたいのは、「同時に」という点なのです。

ダブルパンチは冷静な判断を奪うだろうな。見ちゃいられないだろう。医療用麻薬も仕方がないでしょう。

食べられない、眠れない

位置: 1,291
ですが人間にとって、夜眠り朝起きるという「 概 日 リズム」を保つのは医学的にもとても大切なこと。

概日リズム、という言葉を初めて知りました。いい言葉だね。あたくしも仕事でよく使うよ。これからは「がいじつりずむ」と言って説得力を増そう。

人は生きてきたように、死んでいく

位置: 1,371
緩和ケアという学問に、こんな言葉があります。

「人は生きてきたように死んでいく」

このフレーズは、「人の最期のときは、その人の人生そのものを凝縮している」というような意味でしょうか。

あたくしはあんまりそう思わないんだよな。主語デカすぎでは?と思う。
緩和ケアという学問での話かもしれないから、本気で問いたいわけでもないんだけどさ。

死は生と地続きなんだから、区別すること自体ナンセンス、というのがあたくしの感覚に近い。

茨木のり子さん、生前の死亡通知

位置: 1,735
詩人の茨木のり子さんという方がいます。2006年に79歳で亡くなられました。

わたしが一番きれいだったとき  わたしの国は戦争で負けた

うーん、強烈な詩だ。

位置: 1,740
彼女は、亡くなる前に自ら、自分の死亡通知のお手紙を書いていました。
病名と、日時だけを空欄にしておいて、です。そして彼女の死後、親しかった人たちに次のような手紙が送られました。
ご紹介します。

このたび私 ’06年2月 17 日クモ膜下出血にてこの世におさらばすることになりました。
これは生前に書き置くものです。
私の意志で、葬儀・お別れ会は何もいたしません。
この家も当分の間、無人となりますゆえ、弔慰の品はお花を含め、一切お送りくださいませんように。
返送の無礼を重ねるだけと存じますので。 「あの人も逝ったか」と一瞬、たったの一瞬思い出して下さればそれで十分でございます。
あなたさまから頂いた長年にわたるあたたかなおつきあいは、見えざる宝石のように、私の胸にしまわれ、光芒を放ち、私の人生をどれほど豊かにしてくださいましたことか……。
深い感謝を捧げつつ、お別れの言葉に代えさせて頂きます。
ありがとうございました。

身内だけでひっそりと 荼毘 に付し、一カ月後に手紙を出す。それが彼女の希望だったそうです。

かっちょいい。確かに凛とした感じがある。理想の一つではあるよね。
ただ、あんまり「こうあるべき」「こうありたい」を強くしすぎると息苦しいから。例としては面白いよな。

きれいな夕日を、見る幸せ

位置: 1,894
大昔の偉い人が言いました。
「わずかしか持たない者でなく、多くを望む者が貧しいのである」(セネカ)

足るを知る、ということかな。真実味がある。

代わりがいるから、自由になれる

位置: 2,049
「代わりの人がいる。しかもいくらでも、いつでも補充可能」
これは一見哀しい事実かもしれません。
でも、私はこの事実をまず受け入れ、そしていいことだとさえ思ったのです。

私が死んでも替わりがいるもの、みたいな話ではなく。
また、敬愛する夏紀先輩も同じようなこと言ってたね。

それくらいの気持ちで生きていくのが、無理がないのかもしれないね。

By 写楽斎ジョニー

都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です