古き良き、というのかな。

19世紀のアメリカの田舎町、セント・ピーターズバークを舞台に、わんぱく少年トムは所せましと、いたずらをして、みんなを困らせます。その毎日は冒険でいっぱい。あるときは、家出をして、ジャクソン島でキャンプをして、あげくのはてに、自分たちの葬式に帰ってきたり、またあるときは、夜中の墓場にしのびこみ、殺人現場を目撃したり……。そして最後には、仲間のハックといっしょに洞窟で財宝を発見!?

「最後には上手くいく」前提の子どもたちの冒険譚。
どこの国の人だってこの手の話は好きだろうけど、その典型でもあるんじゃないかな。世界中で愛される理由かもね。

個人的にはファミコンになったのを何となく覚えているのが最初かな。

そうそう、こんなゲームあったわ。これがサクッと観られるんだから、現代ってすごい。

位置: 2,767

 だが、まっ先に、ポリーおばさんがかけよってきて、トムをだきしめた。ジョー・ハーパーのおかあさんもとびだしてきて、ジョーをだきしめた。みんな 泣いて 喜んだ。こんどは、うれし泣きだった。
 かわいそうに、ハックは、だれもだきしめて 喜んでくれる 人 がいなかった。 教会 の 中 の 人 たちは、トムやジョーのまわりに 集まって、ハックは、ほったらかしだった。
 ハックは、きまりが 悪くなって、こそこそにげだしかけた。
 トムが 見つけて、ハックの 手 をつかまえると、ポリーおばさんにいった。 「おばさん、ハックも 無事 に 帰ってきたんだもん。だれか 喜んでやらなくちゃ、かわいそうだよ。」

白々しいが、こういう配慮を出来るトム、素直に受け入れるハック。こういう白々しさがアメリカの良さでもあると思う。

位置: 4,851

 ダグラス 夫人 は、ハックのお金 をあずかり、 利子 がつくようにしてやった。サッチャー 判事 も、ポリーおばさんからたのまれて、やはり 利子 がつくようにしてやった。
 その 利子 のおかげで、 二人 の 子どもは、一週 に六ドル 以上 ものお金 がはいってくるようになった。そのころは、 牧師 さんでも、それだけの 給料 はもらっていなかったのだ。

複利の凄さ、ってやつか?子どもでも、素直に儲かることをすれば儲かる、というのもアメリカらしくていい。

位置: 4,912

「トム、そんな 話 は、やめてくれ。おれは、やってみたけど、とてもだめだよ。おれには、あんな 暮らし 方 は 合わねえんだよ、トム。 毎朝、きまった 時刻 に 起こされるし、 顔 は 洗わされるし、 髪の毛 は、きちんとなでつけられるしなあ。

ハックの面白い性分。子どもの気持ちの代弁者。人気が出るのも分かりますね。この後日談が、ハックを主人公にして語られることになる。サブキャラクターのほうが人気出ちゃった、その走りかもしれません。

位置: 4,961

「仲間 同士 は 助けあい、 仲間 の 秘密 は、もらさないってな。ちかいは、 真夜中、 棺おけの 上 でやるんだ。」
「トム、そいつは、すてきだ。おれ、 死ぬまでダグラスさんのうちにいて、きっと、えらい 山賊 になってみせるぞ。」

ユーモア。落語みたいな話。

投稿者 写楽斎ジョニー

都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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