全5巻でしたけれども。
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1巻から炸裂する、人生の旅愁を感じさせる物言いに、少しばかり胸焼けを。
いや、少しじゃないな。だいぶ。
今はなき恩師に対する愛情を表現するのはいいんですが、この物語を読んでりゃ分かる通り、筆者ってそんなに先生に心酔して生きてきたわけじゃないんですよ。
畏怖して尊敬はしているのでしょうが、それはあくまで「聞かれたらそう答える」程度。
師匠の教えを常に胸にして生きる、といったタイプの天才ではないんですよね。
だから、いまさら感傷的に叙情的に、故人への思いを歌い上げられても……という気がしてしまうのはあたしだけかしら。
失礼かもしれませんが、ファッションとして、物語の紡ぎ手として、商業作家として、故人への思いをことさらに大胆に歌っているだけのような。
東村氏は天才であることは間違いないのですが、ことその破滅型の生き方ゆえ、感傷的な表現への眉唾感が拭えないように感じられるのです。
あらら。こんなこと言ってていいのかしら。
とにかく、その天才性と生産性に脱帽の氏ですが、すこし胃もたれしました。
面白さ?五億点ですよ。めちゃ面白いです。