村上かつら最新作
『サユリ1号』で衝撃を受けて以来、ずっと読んでいる村上かつら先生。
「作者は女性」と知った時の衝撃たるや。
「男の下心というのは、かくも女性に見透かされているのかしらん。」
と不安になったものです。
それくらい、男女関係の機微に富んだ作品を書かれる方です。
テーマは婚活
来ましたかぁ。テーマ:婚活。
読む前から、「面白いに決まっている」とは思っていましたが、まさに。
村上かつら氏の主人公って基本的に「非モテ」で「コンプレックスの塊」ですけれど、今回もそんなん。
それでいて、すっげぇ応援してあげたくなるのが彼女の作品のすごいところですよね。
「私たちが結婚するのは「おじさん」なの?」
28才の主人公が、市役所の主催する婚活パーティーに行った時の素直な感想です。
村上氏はこういうドキッとさせるような核心を突く言葉を紡ぐのが上手。
んで、あたくしは、「は?」って思った後「へぇぇ」って感じました。
31才のあたくしは「おじさん」の自覚があります。正直25くらいから「おじさん予備軍」に居る自覚はありました。
しかし考えてみると、28才の女性に、「おばさん」である自覚ってぇのはそんなにないかもしれませんね。
確かに恋愛とかに疎いままアラサーちゃんになった女子にはリアルにそう感じることがあるかもしれないです。
男性のおじさん化は、早い人は結構早いですから。女子のおばさん化は、ある程度緩やかなケースが多いような気がしますけど。
何より母親が気持ち悪い
最後にフォローが少しありますが、とはいえ、母親の気持ち悪さったらないです。
主人公を縛り付けておいて(というのは主人公史観ですが)、「貴方の幸せのためよ」とほざく。
たしかに、こういう親いますよね。
あたくしの親も、わりと幼少の時はそうでした。
中学くらいから、とんと無頓着になりましたが。
子どもも子どもで、こういう親に育てられると親の顔色を伺うようになってしまって、萎縮しちゃうんですよね。
そのあたりの描き方が実にリアルで、生恐ろしい。ぞっとはしないけど、しなやかに恐ろしいです。
気持ち悪さも含めて秀逸
弱ペダの御堂筋くんもそうですが、はっきりと嫌悪できるキャラクターが登場するのも作品に魅力があるからです。
村上かつら氏、面白いですね。
でも、「付き合ってから好きになるのよ!」とは違うと思うな!
これは、昭和なあたくしだからかしら。
やっぱり「好きだから付き合って!」でしょう!!