『三国志』みたいな形容文が書けたら楽しからずや

登場人物もいかにも時代物っぽくて好き。

位置: 2,234
「最前も、みちみち、申しました通り、手前はどこまでも、利を道とする商人です。武人に武道あり、聖賢に文道あるごとく、商人にも利道があります。ご献納申しても、手前はこれをもって、義心とは誇りません。その代り、今日さし上げた馬匹金銀が、十年後、三十年後には、莫大な利を生むことを望みます。

利己的であることを自覚して、なお己の道を公言して進む。格好いいね。プロテスタンティズムと資本主義の精神みたい。

位置: 2,481
近々と、その人物を見れば。  年はまだ若い。肉薄く色白く、 細 眼 長髯、 胆 量 人にこえ、その眸には、智謀はかり知れないものが見えた。

位置: 2,502
晋 文 匡 扶 の才なきを笑い、 趙高 王莽 の 計策 なきを 嘲って時々、自らの才を誇る風はあるが、兵法は呉子孫子をそらんじ、学識は孔孟の遠き弟子をもって任じ、話せば話すほど、深みもあり広さもある人物と思われた。

位置: 3,808
貌 相 魁偉 胸ひろく 双肩 威風をたたえ、武芸抜群の勇将とは見られた。

位置: 4,772
好漢惜しむらく

位置: 5,373
その人、身の丈は長幹の松の如く、髯の長さ 剣 把 に到り、 臥蚕 の眉、 丹 鳳 の 眼、さながら天来の戦鬼が、 忽 として地に降りたかと疑われた。

何度でも言うけど、こういう人物描写が大好き。短くリズミカルで端的。

位置: 2,650
いかに世が末になっても、罪なき者が罰せられて、悪人や奸吏がほしいままに、 栄耀 を 全うすることはありません。日月も雲におおわれ、山容も、 烟 霧 に真の 象 を現さない時もあります。そのうちに、ご 冤罪 は 拭われて、また聖代に祝しあう日もありましょう。

こんなことをサラサラと立て板に水のように喋れたら楽しかろうな。

位置: 3,356
枳棘 叢 中 鸞鳳 の 栖 む所に非ず──と昔からいいます。 棘 や 枳 のようなトゲの木の中には良い 鳳 は自然栖んでいない──というのです。

こういうことをサラリと言える粋な教養人になりたいものだ。

位置: 3,503
「ああ、平和は雄志を 蝕む」  彼は、慨嘆した。

位置: 3,555
「否 とよ、恋は路傍の花」

いいよね、あたくしのようにウジウジ長文で管を巻いたりしない。短い言葉の中に詰め込む。これぞ教養ですよ。

位置: 3,640
「母上。……玄徳の 過りでございました。どこへ行っても、自分の正義は通らず、戦っても戦っても、なんのために戦ったのか、この頃、ふと失意のあまり疑いを抱いたりして」
「戦 に勝つことは、強い豪傑ならば、誰でもすることです。そういう正しい道のさまたげにも、自分自身を時折に襲ってくる弱い心にも打ち克たなければ、 所詮、大事はなし遂げられるものではあるまいが」

まったく母上は正しい。いつだって母上は正しいのだ。

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