オウムや戸塚ヨットスクールとは何だったのか『思わず聞いてしまいました!!』

地下鉄サリン事件がおきたのは多感な小6のころだったと思います。
ずいぶんのめりこむように関連本を読んだ気がしますね。

そんな人のインタビューが観られるんだから、またやって欲しいな。

居島 第一次大戦が終わっ た後にベルサイユ会議というのがあって、、その後に日本は中国に対して「3ヵ条要求」を突きつけ たと。見方によっては無理難題を押し付けたというけど、あれも長年交渉して、「この条件ならどうだ? こうしたらどうだ? じゃあここら辺で落とし所にしましょうか」という過程があるわけで。 一朝一夕で「これで言うことを聞け!」とやったわけじゃないのに、その過程のことを全然教えない。 おまけにベルサイユ会議で日本が提案した、一番重要な世界史上に明記すべきことは「人種平等法案』ですよ。人類は肌の色によって絶対に差別されてはならない、ということを国家の政策、意志、法案として、初めてちゃんと提案したのは日本ですよ。それをどの教科書も書かないでしょ?

果たしてそこに今に通じる人種平等の意識があったのか、浅学のため知りませんが、本当だとしたら昨今のテレビが好きそうな話ですな。それに対して上祐氏が

上祐 良いところは良いところで維持して、悪いところは悪いところで反省っていうのはいいと思 いますよ。ただ、人種平等だったらそれはやっぱり実践しないといけない。今の日本人て、私が生まれ育った感覚でいうと、アメリカ人は尊敬してて、朝鮮人や中国人は遣隋使、遣唐使の頃は崇めてたけど、この150年間は戦前、戦後も尊敬してないように見える。

普通に返していて面白かったです。実際、そういう空気をあたくしも感じる。文明的に劣った国だとしても、それをあざ笑うということがどれだけ非倫理なことか。

p226
戸塚 自分でわからんことをいってはいかん。わかることをいわないとね。さっきの体罰の話に戻 りますが、体罰には「帰納法(きのうほう)」と「演繹法(えんえきほう)」の2つがあるんですよ。
鹿島 「帰納法」と「演繹法」ですか。
戸塚 「帰納法」というのは、体罰を散々やった上で、やった方が良かったのか、やらなかった方が 良かったのか統計を取ってはじめてできる。「帰納法」で体罰について語れるのはうちくらいでしょ。
鹿島 まあそれだけ実践データがありますからね。
戸塚 そうすると、他のみんなが作ってるのは「演繹法」なんですよ。演繹法というのは理論の組 み合わせ。もう1つは必要なのは「善悪の定義」。この2つが理解できて、初めて「体罰が悪」か どうかわかるわけです。だけど、その定義をできる人に会ったことないし、ましてや、「善悪の定義」 なんて日本で誰ができるんですか? それなのに平気で「体罰は悪」と。そっちの方がきれいだか らですよね。
鹿島 定義はわからないけども、そこで済ましておいた方が収まりがいいと。
戸塚 その方が無難だからね。
鹿島 あとよく仰られているのは、「体罰と暴力とは違うんだ」と。
居島 先に「体罰」という言い方をしちゃうっていうことも問題ありますよね?
戸塚 いやいや、体罰というのを何かを知らずに、「体罰が悪い」とマスコミ共が宣伝したわけです。 学校教育法の第11条、あの法律をちゃんと読んでみてごらん。あそこに「体罰は教育である」と書いてある。

ほんとかな?と思って調べたら、改正されていました。

第十一条 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
(昭三六法一六六・平一一法八七・平一一法一六〇・平一九法九六・一部改正)

今は体罰は明確に禁止されていますね。

基本的にあたくしは戸塚校長の話に同意は出来ないんですが、口調からして理屈があって結論を出しているタイプではなく、感情が先に来て理屈で武装しているタイプにみえます。この辺も生で見たかったな。

p227
鹿島 著書にも「体罰というのは相手の進歩を目的とした有形力の行使である」と。この有形力というのは「ぶん殴る」ということですよね? それがある一定の時期の子どもには必要だという。
戸塚 それは世界中でいわれてることであって、何も日本だけが使ってきたわけじゃないですよ。 それが最近、工セヒューマニストの連中がね、「体罰というのは子どもの権利の侵害なんだ、だから 体罰をしてはいけない」っていうけど、まず権利の定義をできない人が「権利の侵害」っていって も意味がないんです。
鹿島 「権利の侵害だとか簡単にいうけど、そもそも権利が何かってわかってるのか?」っていうこ とですよね。
戸塚 そうなんです。そもそも「権利」って日本で作った言葉じゃないでしょ? 英語でいうと 「Right」。そいつを江戸の末期に日本語にしたんですよ。萩藩の西周が「権利」と訳したんです。

知識の豊富さが必ずしも品位を作るわけではないということですね。ただ、理屈は通っている気がします。別にだから肯定はしませんが。

あたくしは明確に体罰によって嫌な思いをしたし、今負の側面をあたくし自信それによって抱えていると思っていますよ。

p231
戸塚 うちの謳い文句は「男を作る」というんですよ。今の若い連中を見てると「これが男か?」 という感じがするんですよ。男がダメになると国が潰れるんですわ。だから、今のうちから男をちゃんと作っておこうと。
鹿島 「戸塚ヨットスクールは本当に悪い体罰、暴力をやっている!」と書いていた大手出版社の社 長が、裏では「うちの息子を入れてくれませんか?」っていったという話、あれ本当なんですか?
戸塚 毎日新聞の責任者ね。そいつが子どもを入れてくれっていってきた。それで「お前恥ずかし くないのか?」っていったね。
鹿島 散々バッシングした後で、それはちょっと違いますよね。
戸塚 その時、こういうことをいったんですわ。新聞で攻撃してるのは公の部分であって、子ども を頼みにいくのは個人的な部分だから、と。

面白い話。本当かどうか知りませんが。
体罰が有効に作用する例もあるんでしょうね。あたくしには全然伝わらなかった。むしろ嫌な面しかない。

p233
鹿島 あと、あまりヨーロッパのことをお褒めになってないんですけど。寄宿舎制度は校長もすご く認めてらして。幼い頃から寄宿舎という所に預けて、子どもたちだけで上下関係があって。
戸塚 あれは独立心を養うためで、自分一人だけで何ができるか。親がいたら独立心は養えない。 ハリー・ポッターを見てご覧なさいよ(笑)。
鹿島 ハリー・ポッターがものすごいお好きだと噂で聞いて、今日も入場の曲はハリー・ポッター にしてみたんですが(笑)。やはりあれは素晴らしい映画ですか?
戸塚 結局ね、あれが教育なんですよ!
場内爆笑
鹿島 あれが教育ですよ、みなさん! ハリー・ポッター借りてください (笑)
居島 物凄い所に着地しましたね(笑)。
鹿島 戸塚ヨットスクールとハリー・ポッターが繋がりましたよ、今!
戸塚 ハリー・ポッターはね~、もう先生は絶対的だし、ちょっと悪いことすると退学させられちゃ うでしょ。しかも危ないことばっかりやらせて、喧嘩し放題、いじめ放題ですよ!
鹿島 ハリー・ポッターで描かれているいじめは良いいじめというか、いじめられて「何クソ!」っ ていう。「お前こんなこともできないのか!」みたいな。
戸塚 正しいいじめと間違ったいじめの違いはソフトとハードの違いね。行動をいじめる、その人 のソフトをいじめる。これが正しいいじめなんですよ。その行動がちゃんと直ればいじめられない でしょ。つまり、いじめから逃れられる方法があるんです。だけど、今のいじめはですね、ハード に対するいじめ、「お前嫌い」っていう。

ところどころ、良いことを言ってたりもするあたり難しい。子供は親下では育たない、というのはある程度同意しますね。やっぱりある程度の年になったら子離れしないとね。

面白い本でした。

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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