志村貴子さんにしては珍しい。
ヘテロなセクシャルのものも書けるんですね、この方。
『放蕩息子』やら『青い春』やら読んでいたので、この方はヘテロは書かない方かと勝手に思っておりました。
しかし、描いているのは、性描写がヘテロであろうとゲイであろうと変わらず、性との対話の仕方でした。
おのれのうちなる感情と欲望と理性と、そういうのがごっちゃになりながら淡々と日常が流れていく話。
『青い春』とかは結構、読むと胃にずーんと来る感じだったのですが、これくらいギャグ調も備えていただけると読みやすい。
実際、志村貴子さん作品って続けてどんどん読む気になれないんですよね、いい意味で。
読んだ後しばらく自分との対話の時間が欲しくなるというか。
どうでもいいけど、わりとこのメガネの子が好みでした。
この自らの欲望への忠実さと、あくなき冷静さの同居する人間性がとても好き。
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都内在住のおじさん。
3児の父。
座右の銘は『運も実力のウンチ』
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