山本周五郎の、なんとも言えぬ後味を映画でしっかり再現。
人を押しのけてまで出世することが出来ない心優しい武士と、そんな夫を理解し支える妻の心暖まる絆を描いた時代劇。監督は、98年に亡くなった黒澤明監督の助監督として活躍し、本作でデビューを飾った小泉堯史。脚本は、山本周五郎による短編を基にした「まあだだよ」の黒澤明の遺稿。 撮影には「まあだだよ」の上田正治があたり、また撮影協力として「まあだだよ」の斎藤孝雄が参加している。主演は、「まあだだよ」の寺尾聰と「生きたい」の宮崎美子。99年の第56回ヴェネチア国際映画祭緑の獅子賞を受賞。
宮崎美子は本当に犬顔。大好き。かわいい。
また寺尾聰もいい男なんだ。敬語で会話する夫婦が実にいい感じ。
剣技についてはさすがの黒澤組。カッコつけすぎず、端正なカッコよさ。小泉堯史監督は他にも時代劇を現役で撮影されているのね。今度見てみたいな。
冒頭から黒澤明への経緯そのもので、ちょっと重たい感じもありながら、内容自体はさにあらんや。軽くて深みがある、素晴らしい映画。