山田洋次監督映画『男はつらいよ』感想 昔の寅さん、フラれる必然性がある

第一作の熱量。これはもっと早く観るべきだった。

渥美清主演による国民的喜劇シリーズ「男はつらいよ」の第1作。1968~69年にフジテレビで放送された連続ドラマの結末に抗議が殺到したことから、テレビ版の脚本を手がけた山田洋次のメガホンで映画化された。中学生の時に父親と大ゲンカをして家を飛び出した車寅次郎は、20年ぶりに故郷・葛飾柴又に帰ってくる。美しく成長した妹・さくらと再会を喜びあう寅次郎だったが、さくらの見合いの席で大失態を犯し、縁談をぶち壊してしまう。再び旅に出た寅次郎は、奈良で偶然にも柴又帝釈天の御前様と娘の冬子に会う。冬子に恋をした寅次郎は、彼らに同行するかたちで柴又に戻ってくるが……。マドンナ役は本作が映画初出演となる新派のトップ女優・光本幸子。名優・志村喬が、さくらに思いを寄せる青年・博の父親役で出演している。

20年ぶりの帰還について、なるほど、ある程度丁寧に書かれています。晩年の作品では省かれがちな要素がちゃんと詰まっている。晩年の作品から見始めた人は、何がなんだか分からないよね。

森川信さんのおいちゃんも、流石にバッチリ。世代的にはもちろん下絛正巳さんなんですが、すっと森川信さんの雰囲気がおじちゃんになりますね。

晩年になると「どうしてフラれるか」みたいな必然性がよく分からなくなって、イマイチ好きになれない作品もあるんですが、最初の頃は丁寧に作られていますね。当たり前か。晩年の「どう寅次郎に恋をさせフラレさせるか」の大喜利になる前だものね。

By 写楽斎ジョニー

都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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