東野英治郎が出てくると、すごく安心する。
一年ぶりに帰郷した寅さんは、葛飾商業の恩師・坪内散歩(東野英治郎)と、その娘・夏子(佐藤オリエ)と懐かしい再会を果す。酒を酌み交わしたものの、寅さんは胃けいれんを起こし入院してしまう。しかし寅さんは病院を抜け出し、無銭飲食をして警察沙汰となり、さくらは心を痛める。故郷を後にした寅さんは、京都で夏子らと偶然再会し、散歩先生の薦めで、“瞼の母”に会いに行くが… 散歩先生とその娘をめぐるエピソードの温かさ、瞼の母に感動の再会と思いきや、実は…という悲喜こもごも。爆笑のなかに、ミヤコ蝶々演じる、寅さんの産みの母・お菊が、重ねて来た苦労が偲ばれる細やかな監督の演出など、みどころタップリ。
あたくしの上の世代では、東野英治郎さんは水戸黄門様なんでしょうけどね。「秋刀魚の味」のせいでしょうか、もうちょっと情けない人のイメージをあたくしは持っていたり。この作品でも、情けなくはないけど、黄門様のような立派な感じでもない。
いいセリフは「てめぇ、さしずめインテリだな」。これに尽きます。
山崎努演じる若い医師に対して、学歴コンプレックス丸出しのいいセリフだ。ぐっと来るね。
寅さんが母親と再開するが、、、、というちょっと重めの設定も出てきて、まだ大喜利化する前のハラハラした感じがあります。とても良い。予定調和に至る前の感じが、とても映画として面白い。あたくしはこっちのほうが好きですね。