当時からアウトローなものを、今の価値基準で捌いちゃ駄目!作品の本質を見誤ります。
それにしてもバカバカしくって笑いました。
昭和25年北九州一円では戦後のドサクサを背景にヤクザ組織の抗争がエスカレート。小倉では昔かたぎの岡谷源蔵の岡源組と新興ヤクザ橋伝組がしのぎを削っていた。小倉警察署長はGHQの勧めで抗争を民主的に解決するため野球大会を提案。どこの組も血気盛んな若い衆がドスやハジキを慣れぬバットに持ち替えてダイヤモンドに勢ぞろい。遠賀川の加助は岡源組の斬込み隊長。「タマ遊び」でカタをつけることに乗りきれず割烹川太郎で呑んだくれていた。川太郎のおかみお仙は惚れた男を捜して小倉へ流れてきた女。加助もお仙の固い操を突き破ることができない。岡源のシマを狙う橋伝組は札束にモノを言わせ野球上手な渡世人を集めていた。
この「任侠が野球で決着をつける」という発想、あまりに昭和的で最高!カツカレー的な乱暴さがあります。笑っちゃうよね。
岡本喜八監督。なんだかんだいって、初見かもしれない。こんなバカバカしい映画撮る人なら、他の作品も観たいと思わせる秀作。何と言っても任侠と野球の組み合わせ、味付けの仕方が最高に好み。
菅原文太さん主演、北大路欣也さん助演。
どちらも名優ですが、こんな汗だるまになるコメディ映画をやっていたこともあるのね。
ケチをつけるとしたら、この内容で2時間20分は長いかな。
1時間半で気持ちよく終わったらもっと評価上がりましたね。