黒澤明は時代劇だけじゃない、と再確認。
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山本周五郎原作による小説「季節のない街」を黒澤明監督が映画化した作品。毎日電車のまねごとをして街中を練り歩く主人公・六ちゃんと、人々の触れ合いを描いたメルヘン・ムービー。
ところが、この映画が大コケ。Wikipediaによると、この大コケで黒澤明氏は10年間干されたんだとか。
いまのあたくしの目からすると、『乱』『生きる』に匹敵する素晴らしい作品だと思いますが。いや、超えたかな。
Amazonには「メルヘンムービー」とありますが、これは皮肉でしょうか。
この状況を「メルヘン」というのは、確かにそうですが、それはあまりにも皮肉が過ぎるでしょう。とにかく、まず、現代人から観ると、悲惨ですよね。
劣悪な環境の中で明るく生きる人達をコミカルに奥深く情深く撮ることが、果たしてメルヘンかしら。あたくしにゃそうは思えません。
ただ、通底する「メルヘンチック」さは、確かにありますな。
悲惨だけども、どこか明るい。いや、極端に明るい。
伊集院光氏はあの”家を建てる夢を観ている親子”が好きだとラジオで言っていましたが、あたくしは子沢山のおとっちゃんとか、内職のお嬢さんとか、好きだなぁ。
男はプライドが高いとろくな事にならない、ということを、黒澤明は言いたいのかしら。
ただ、そのプライドの高さも、どこか愛らしくて、それでいて結果不幸を撒き散らすんですよね。
プライドの高い男にはなるまい、と思いました。どんな感想だ。
ちなみに、クドカンこと宮藤官九郎はこの作品がオールタイム・ベストらしい。
わかってるなぁ、クドカン。
あたしゃあんたに惚れなおしたよ。
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