最後に、春画が対していた規制について、確認しておかねばなりません。
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江戸時代、大きく分けると春画は3度の規制を受けたそうです。
1.享保
徳川吉宗によって行われた質素倹約の改革、享保の改革。
当然、この時は春画も規制されたそうです。その名も『好色本禁止令』。まんまですね。
この時から、春画のメイン流通ルートは裏になったようです。
2.寛政
田沼意次が失脚し、松平定信によって行われた寛政の改革。
これも行き過ぎた質素倹約で、失敗に終わりましたが、春画もだいぶ規制されたようです。その名も『出版統制令』。”風紀を乱すものは全部ダメ!”という厳しい物だったそうな。
ここから浮世絵なども出版の際に幕府の許可が必要になります。検閲ですね。
ますます、春画のルートが裏に裏になっていきます。
ちなみにこの時、喜多川歌麿や初代豊國が摘発されて手鎖五十日の刑に処されています。
これが、歌川派が春画から離れていく大きなきっかけになったようです。
3.天保
最後は老中・水野忠邦の天保の改革。
『人情本禁止令』という何とも味気ない禁止令が出されたそうです。
この時、三豊こと三代目歌川豊國はお咎めは免れたものの版木を没収され焼かれています。
春画は芸術でありますが、基本はやはりエロ本。
こそこそ観るのもまた一興ですが、規制する権力者の姿も想像できますな。