やっぱり華がありますね、このお二人。
一之輔師匠は先の独演会以来、文菊師匠はいつだったかのレフカダ以来の拝聴ですが、おかわりなく輝いておられました。
調べたら、2009年のNHK新人演芸大賞が文菊師匠で、2010年が一之輔師匠なんです。
まさに若手のホープでしょうか。中堅かしら。
たらちね
前座は三遊亭ふう丈氏。
圓丈師匠のお弟子さんなんですね。新作やるかな?と思ったら古典でした。
申し訳ないけど、食後だったもので、すこしウトウト。いけません。
堀之内
中野ZEROでやった独演会でも聴いた「堀之内」
ドローンのマクラから、ネタまでが流れるようで、それでいて前回と変わらず。
寸分違わない芸、とは言いませんが、何度聴いても面白いんだから。もう。
八っつぁんの粗忽ぷりが可愛くって可愛くって。大爆笑。
短くっても、よく笑いの取れるネタ。十八番になりつつあるのでは。
大工調べ
いやー、良かった。中トリとは思えない熱演で大満足でした。
文菊師匠の江戸っ子語りはいいですね。キレがあってスッとする。
ちょうど自分が「たがや」を練習しているところなので、特に学ぶところが多かったです。
啖呵ってぇのは、早くまくし立てることよりも、淡々と凄んで話すほうがいいのかもしれませんね。プロの噺家さんだって、早口とそうでないところとの緩急がしっかり付いていましたから。
「イモっかじり」のあたりはトントントンと早口で、「六兵衛の焼き芋」のあたりは丁寧に凄んで、話されていました。意味のあるところ、というか、聞かせるところは啖呵でもゆっくりで良いんですな。
どうも自分はセリフが走るきらいがありますからね。注意せねば。
あくび指南
中入り後、「大工調べ」の熱演から、さらっと着物を着替えて登場の文菊師匠。
あくび指南をさらっとやられました。
一之輔師匠が爆笑を誘っていらしたのに対して、文菊師匠はじわじわと世界に引き込んで笑いをとっていた印象がありますな。
だから、「あくび指南」の先生のお手本のところで、じんわりと笑いがとれる。
「え?もう終わり?」という見本のところなんざ、観客を引き込む力に満ち満ちてました。技ですねぇ。
百川
一之輔師匠の百川。これは初めてです。
やっぱり、というかなんというか、話しぶりは基本に忠実ですね。
一之輔師匠はトリネタのときは、わりかし基本に忠実にやられる傾向があるような気がしますね。爆笑のくすぐり等は浅いネタのときにやってらっしゃる印象。
百川という噺自体は、申し訳ないけど、そんなに好きじゃないんです。
田舎もんを馬鹿にした噺って、どうにもそんなに好きじゃない。
権助魚とかはね、蔑みみたいなのが少なくていいんですけど、ね。
落語ってぇのは元々が都市の文化。だから田舎者には不当に冷たいんですな。
そういうもんだと思っていても、やっぱり、どうにも、肌に合わないんですね。
自分は東京出身ではありますが。
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