今年は来られた!
三遊亭圓朝を祭ったものとして、圓朝祭が毎年開かれているとは知っていましたが、木戸銭がいい値段するので、なかなか来られなかったのです。
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今回、人生で初めて参加してきました。
「圓朝祭は残しておこう」と言った五代目小さんの言葉をありがたく噛み締めつつも、大いに笑って共感してまいりました。
春風亭昇吉『稲川』
また珍しい話を。
生で聞くのは初めての噺。
これも圓朝師匠の作だそうで。なるほど。
明治の相撲の噺なんざ、なかなか聞いてもスッとは入ってこないのですが、今回も、どうもしっくり入ってこない。相撲がそんなに好きじゃない、というのもあるのかしら。
桃月庵白酒『喧嘩長屋』
白酒師匠、さすがですよ。
もう爆笑につぐ爆笑。場内が一気に温まりました。
”肘掛けの奪い方”のマクラなんざ思わず隣の人と目を合わせたほど。
噺の中にプーチンやら温家宝やらを混ぜてくるのもさすがです。
柳亭市馬『三十石』
いやー、この日一番の出来を披露してくださったのは市馬会長です。
上方の噺ですよね、これ。NHKで観て以来、久しぶりに聴きました。
いーい風情でね。形がまた、良いのよ。
こういう噺はナリとか背格好がしゃんとしていないと映えないのね。
その点、市馬師匠はさすがでした。
会場全体が舟に乗せられたようなトリップ感。
幸せな時間でした。笑いの多い噺ではないのですが、多幸感というんですか。
ありますよね。
三遊亭円楽『ねずみ』
だいぶ喉を痛めていらっしゃるようで。
タバコですかねぇ。ガラガラなの。
ちょっと観ていて痛々しいくらいでしたが、噺はさすが。
そういや、今の圓楽師匠を生で観るのは初めてだったかも。
両国亭には行けてないですからねぇ。
林家たい平『不動坊』
中入り後、いきなりたい平師匠の不動坊。
惚れ惚れするような噺の運び方ですな。本当に、筋がよくいらっしゃる。
聞いていてスーッと入ってくる。イージーリスニング的というか。
落語の敷居を、すごく下げてくれている。
かといって噺の妥協はないのね。
下げで、悪巧みがバレて「てめぇら!何しに来やがった!?」「ね、俺の入った通り、火が付いただろ」というのは初めて聴きました。
この方が、「宙に浮かんでおります」よりも落語的で分かりやすいかもしれない。
柳家権太楼『心眼』
権太郎師匠は心眼でした。
調べると下げの「寝ているうちだけ、よぉく見える」というのは文楽師匠の創作のようで、圓朝師匠は普通に「目が覚めたら逆に見えない」という下げにしていたんだとか。
文楽師匠のアレンジは良いですな。こっちのほうが皮肉で。
権太郎師匠もこっちのほうでした。
あまり心地の良い話じゃないんですけれども、聞いちゃうのね。ずーんと。耳が離せない。塞げない。
権太郎師匠の腕ですな。