個人的には『三井の大黒』などの左甚五郎物が印象的ですな。
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何とも抑揚のない、落ち着いた声でのっぺり話す方でした。
生で観たことはなかったのが残念でなりません。
扇辰師匠は髪型まで師匠の踏襲をしているかのよう。
粋ですよねぇ。角刈りが似合う。
汗かかない訓練
アサヒドットコムにこんな記事がありました。
「汗かかない訓練しなくちゃ」 落語の扇橋、芸歴50年記念し自伝出版
http://book.asahi.com/clip/TKY200710120214.html
記事の中でおっしゃっている、最近の落語についてのコメント。
「もっと間(ま)が欲しい。汗をかいての熱演なんてのはみっともない。プロは汗をかかない訓練をしなくちゃ。噺家は自分では笑いも泣きもしないでお客を泣き笑いさせるもんです」
ってね。ごもっとも、ごもっとも。あとはなかなか。
おっしゃっていることはオタク的に正しいとあたくしも思います。
けれど、現代で広く落語でウケようと思ったら、そうじゃないんじゃないですかね。
省略の芸、つまり小さんだとか文楽だとか、ああいった落語黄金時代に正統派と評価された芸は、現代人の落語リテラシーには通用しないんじゃないかしら。
くすぐりをふんだんに入れて、伸ばすところをたんまりと伸ばして、クサくやる。
それでいて嫌味が出ないようにやらないと、ついてこないんじゃあ、ないかしらねぇ。
とはいえ、あたくし自身の落語は落ち着きがなくって間が悪い。
自覚もしております。やっぱり稽古不足ですかね。
扇橋師匠の爪の垢を煎じて飲みたい。ごくごく。
阿呆っぽい左甚五郎
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左甚五郎の演じ方は、ほんとに人それぞれ。
含みのある切れ者にする人もいれば、一見阿呆っぽくする人もいる。
扇橋師匠のは阿呆っぽくて可愛い甚五郎ですよね。
これがなんとも言えない味になる。ねずみ、三井の大黒。生で聞いてみたかったなぁ。
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