中国で映画も出たそうな。日本じゃ公開されませんが。
日本陸軍が生んだ”悪魔の部隊”とは? 世界で最大規模の細菌戦部隊は、日本全国の優秀な医師や科学者を集め、三千人余の捕虜を対象に非人道的な実験を行った。歴史の空白を埋める、その恐るべき実像!
なんで公開しないのかね。「愛国心が大事!」みたいな意見の人から反対が出るのかな。
「細菌兵器の人体実験なんて、公開はされないけれども、国家単位じゃ当時は普通のことだったし、日本でもあったんだよ」くらいのことで公にしたほうがいいと思うんだけどな。「731部隊」について知らない人が多くなっちゃう。それって本当にいいのだろうか。
新板発行に当たっての序文
位置: 20
写真誤用問題が発生(1982年9月14日) して以来、『悪魔の飽食』と著者および共同作業者の下里正樹は、世間の 凄まじい糾弾の集中砲火を浴びた。
こりゃ、想像を絶しますね。この手の誤用は、必要以上に記事の信頼性を落としちゃうんだな。仮に本質とは違うところであってもツッコミどころを作ってしまう。
位置: 33
第七三一部隊の暗黒面だけでなく、同部隊が医学面や防疫給水面で果たした貢献を書かなければ片手落ちであるという批判もあった。たしかに第七三一部隊の医学防疫分野における貢献は大きい。
だが第七三一部隊の成立基礎が侵略にあったことを我々は忘れてはならない。
まったくそうで、あたくしの認識としては慰安婦と同じ。
「あってはならないが確実にあったもので、それは戦争状態では遺憾ながら起こってしまうもの」という感じかな。益がないとは言わないけど、他の方法があったでしょ、と強く思うね。
第一章 特殊軍事区域 -ハルピン市南方20キロ
位置: 175
奉天を占領した関東軍は、当時 若 槻 内閣の戦線不拡大方針にもかかわらずつぎつぎと軍事占領地域を拡大、北満の 吉林、チチハルから 遼 西 の錦州を占領、1932年3月、満州国を成立させ、 傀儡政権をでっち上げた。
ハルピンはこの過程で関東軍の手に 墜ちた。第二次世界大戦の終了までは、行政上の呼称を 浜江 省の省都と呼ばれるようになる。
ハルピンに細菌戦秘密研究所──のちの関東軍防疫給水部本部(通称石井部隊) が置かれたのは、1933年である。
国際連盟脱退の年だね。どんどん国際協調から外れていく頃だ。
第四章 七三一はなぜ「悪魔」なのか
位置: 1,622
戦争は 畢竟、偏狭で独善的な民族主義から発する。自分の国と民族さえ居心地よく暮らせれば他の国などどうなってもいいという発想である。
国を愛する根底には、国家に所属することによって守られ発展されるであろう個人と家族の幸福がある。
忌野清志郎は「ユーモアのないやつが戦争を始める」と言ったけど、「ユーモアのないやつ=辺境で独善的なやつ」はかなり成り立つ気がするね。民族主義から発するかどうかは疑問。
第十章 仮面の”軍神”
位置: 3,253
石井四郎はヨーロッパ諸国歴訪中、ペストの恐怖について種々の話を聞き、さらに各国が研究対象から外しているペスト菌を、逆に「日本が独自に研究すべき絶好の細菌」と受け取ったようである。
いい性格しとるわ。人の嫌がることをやる、というのは対人戦の基本だからね。とはいえ人の道を踏み外しているので全く褒める気には
p267
石井は部隊長の任を解かれたあと南京に乗りこみ、そこで日中戦争史上悪名高い「 浙贛 作戦」──大規模な細菌戦を指揮している。
せっかん作戦、と読むとか。
いまはNHKアーカイブもすごいね。
いい仕事してるわ。細菌作戦のことは触れられていないけど。
第十一章 七三一崩壊す-1945年8月9日
位置: 3,341
「世の中は星と 錨 と闇と顔」。こんな川柳が流行した
星は陸軍、錨は海軍、闇は闇市、顔はコネ。
この世の腐敗を皮肉にした川柳だそうな。ちなみにこれは川柳だけど、下の句もあるらしく、「馬鹿な人達立つて行列」とな。
位置: 3,614
石井四郎は終戦直後、東京・新宿区若松町で、焼け残った陸軍関係の建物を利用して、旅館を経営していたところ、アメリカ占領軍の呼び出しを受けた。1945年の冬であったと伝えられている。極東軍事裁判開廷にあたって、ソ連は満州第七三一部隊石井四郎部隊長以下、指導的幹部の取り調べと処刑を要求した。だが、石井四郎はいち速くGHQに取り入り、密かに持ち帰った七三一関係資料をアメリカ軍に提供、自己の保身を図った。
この辺の処世の巧さ。完全に悪党の立ち回りだ。
これ、右寄りの思想の方も怒っていいんじゃないのかな。
位置: 3,623
この結果GHQ当局の訊問は形式だけのものとなり「石井四郎以下の所在は不明。七三一は戦犯に値しない」とする見解がソ連側に伝えられた。世界史上空前の細菌戦を実施し、三千人以上の人間を抹殺”消費”した第七三一部隊はほとんど無傷のまま戦後の日本に生き延びたのである。石井四郎はこのあと、アメリカ軍から、元海軍関係宿舎を改装したアメリカ兵慰安施設(パンパン宿) を東京・四谷に一軒与えられ、女たちに売春させながら平房から持ち帰った七三一のデータ整理に当たっていた。
見事に転身を図っていますね。こういうのを陰謀とか裏取引とかいうんじゃないのかしら。
第七三一部隊が潰走し戦争が終わった翌年、1946年の6月末から9月末にかけて平房付近全域を猛烈なペストが襲った。 義発源、 東井子、 後二道溝 という村ではペストが発生し、百三名の死者を出した。第七三一部隊施設から逃げ出したネズミとノミによるペスト流行である。
映画の最後みたいなキャプション。事実関係の裏が取れているのかは疑問だけど、ペストが流行したのは事実ぽいね。こんな話、実際にあるんだな。
終章 七三一の意味するもの
位置: 3,726
民主主義というものは、本質的に 脆い。それは民主主義に反する主義思想をも体内に包含する。自分を破壊し、覆そうとする敵対思想をも認めなければ民主主義は存在し得ないところに、この体制の脆さと宿命があるのだ。
最近、つとにそう思います。自由と言い換えてもいいかもしれない。自由・資本主義・民主主義はセットだから。
付記
位置: 3,777
時期を同じくして、中国生まれの米人ジャーナリスト、ジョン・W・パウエル氏が「歴史の隠された一章」と題して米国の情報公開法に基づき入手した最高機密資料により、終戦直後GHQが、同部隊の研究成果を米国に全面提供する見返りとして、同部隊員を戦犯から免罪した裏取り引きの詳細を公表した。
アメリカはそれでも、情報公開法があるからマシだなと思うときもある。とはいえ、振れ幅の大きい国なので、評価が難しいけど。GHQも勝手なことやってくれる。
