『占星術殺人事件』 島田荘司著 現代アニオタが読むとホモォな感じ

伝説の名作らしいです。

島田荘司さんというミステリー作家の大御所さんのデビュー作で、同作家の人気シリーズとなった御手洗潔シリーズの第一作だそうです。
例によってあたくしは、これを米粒写経の居島一平氏がオススメしていたので、されるがままに読んだのでした。

これが発表された時は、それはもうものすごい反響だったそうで、日本中のミステリーファンどころか読書の虫達が一斉に共鳴・反発等々をしたんだとか。
あくまで伝聞ですが、昔の本なのにamazonのレビューが94件もあるところをみると、やはり名作のようです。

トリックは流石、しかし

内容もはやり素晴らしかったですな。
とくに島田氏の文才とか、含蓄のあるセリフ回し、何気ない有益そうな台詞(それでいて最終的に何にもならないのが笑えるポイントです)、どれも素晴らしいです。

ただ、約30年前に日本中の読書家を虜にしたらしいトリックは、案外簡単にあたくしには分かりました。
謎のレベルは、今となっては、大したこと無いのかも。
むしろ、今、あたくしごときに分かるのですから、この30年で伝説になりすぎて、古典となったのかしら。
そのほうが説明がつきますね。

かつての名曲が、今の若い人に、作詞作曲歌手の名前は伝わらなくともメロディーで伝わる、といった現象でしょうか。

それよりホモホモしいのがツボ

むしろ、主人公の御手洗潔と、助手の石岡和巳のホモホモしさが気になりました。

例えば、「犯人が分かった」と石岡に告げた御手洗に対して、石岡が犯人を教えろと迫るシーン。

「君、教えてくれ! 君は解んないだろうな! ぼくは今たまらんのだよ。死にそうだ。苦しくて、胸をかきむしりたくて、たまらんのだよ」 「遠慮しなくていいぜ、思う存分やりたまえ、ぼくは少し眠るからね」  窓ガラスに頭をもたせかけ、御手洗はうっとりとした表情でそう言った。

ね、いいバディ感あるじゃないですか。
御手洗攻めの石岡受けです。

さらに、それでも犯人を教えろと迫る助手・石岡に対して、御手洗は

「君の場合はひと晩じゃないか。明日には答えが聞ける。たったひと晩くらいならぼくにつき合う方がいいんじゃないのかい? われわれの間に介在するらしい友情の証しとしてね」  御手洗はそう言いおいて、また気持ちよさそうに目を閉じた。 「……楽しいだろう?」 「別に、眠いだけさ」

この、余裕綽々ぷり。
絶対、実は御手洗の方が石岡を好きですよね。必要としています。

このバディ感たるや。

最後に、こんな石岡くんの冷静な分析もあります。

この御手洗という男は、息を切らせて走ったくせに、私を前にすると荒い息を押し殺し、自分などの天才にはあんなのは軽いと気取ってみせるところがある。

あらやだ、完全にホモじゃないの。

いいですねぇ、御手洗×石岡

伝説のホモホモしさです。
あ、物語はガチでオススメですよ。ホモホモとか言っておいてなんですが。