どこまでも読める。
焼却炉行き赤ん坊
位置: 867
半狂乱の態で喚くと、私はそれと覚って咄嗟に伸ばしてきた女の手を撥ねのけ、テーブルの三つ目の椅子上にいた〝しろ〟をまず摑み、
「ぼくだけを大切にしろい!」
その首を一気に引き抜いた。
僕だけを大切にしろい!
最低にかっこ悪いセリフ。でもいいんだよなぁ。
最低にかっこ悪いセリフ。でもいいんだよなぁ。
どこまでも読める。
女にもてない「私」がようやく女とめぐりあい、相思相愛になった。しかし、「私」の生来の暴言、暴力によって、女との同棲生活は甘いどころか、どんどん緊張をはらんだものになっていく。金策に駆け回り、疎遠な友をたずね、断られれば激昂し…金をめぐる女との掛け合いが絶妙な表題作に、ぬいぐるみを溺愛する女との関係を描く「焼却炉行き赤ん坊」を併録。爆笑を誘うほどに悲惨な、二つのよるべない魂の彷徨。新しい私小説がここから始まる。
位置: 867
半狂乱の態で喚くと、私はそれと覚って咄嗟に伸ばしてきた女の手を撥ねのけ、テーブルの三つ目の椅子上にいた〝しろ〟をまず摑み、
「ぼくだけを大切にしろい!」
その首を一気に引き抜いた。
都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』