寅さんシリーズの中でも結構好きな話。

タコ社長の娘・あけみ(美保純)が夫婦喧嘩の果て、家出してしまう。ワイドショーに出演して「戻ってこい」と訴えるタコ社長。帰宅した寅さんの広い顔のつてで、あけみが下田にいることが判明する。そこまでは良かったが、あけみの傷心を慰めるはずの寅さんは、式根島への連絡船で知り合った島の小学校の同窓生達を迎えた、美しい真知子先生(栗原小巻)に一目惚れ。あけみを放って、同窓会へ参加してしまう・・・  壷井栄原作、木下惠介監督作品『二十四の瞳』(54年)へのオマージュらしく、島の先生と同窓生たちのエピソードを軸に、第4作『新男はつらいよ』以来二度目のマドンナをつとめる栗原小巻と寅さんの物語が綴られる。式根島から柴又に戻ってから、気が抜けてしまった寅さんの“恋やつれ”ぶりも楽しい。個性派・川谷拓三や、下田の寅さんの仲間の渡世人を演じ、これがシリーズ初出演となった笹野高史など、名傍役たちの演技も光る一篇。

知りませんでしたが、マドンナの栗原小巻さんは吉永小百合さんと人気を二分するほどの方なんだとか。サユリスト・コマキストとそれぞれ熱狂的なファンのことを呼ぶ、それくらいだそうです。Wikipedia情報ですけどね。

それにしても、この回の満男のセリフが良かった。

「俺分かるよ、あけみさんの気持ち。伯父さんのやっていることは鈍くさくて、常識外れだけど、世間体なんて全然気にしないもんな。他人におべっか使ったり、お世辞言ったり、伯父さん絶対そんなことしないもんな」

いや、結構言ってるけどね。お世辞。でも、これって寅さんが好きな人間のかなりの代弁になっているはず。

この話の好きなところ

それにしても、やっぱり本作の出色なところはお終いのところ。

調布飛行場から旅立つ真知子先生から、心中を打ち明けられたときに返した言葉。

俺のような渡世人風情の男にはそんな難しいことは分からねぇ。ただ、お話の様子じゃ、その男の人はきっといい人ですよ。さ、先生、お乗りなさい

この去り際だよね。何と言っても、寅さんの魅力。
ここに、観客がぐっと感情移入するんだ。寅さん、いい男だ。男は辛いよ、ってね。

投稿者 写楽斎ジョニー

都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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