2度目も夢中に見られる安心感
「まーた『サイコパス』やんのか。まぁ安定して面白いだろうしね。見るか」なあんて7月には思っていました。
舐めてました。2度やる必然性が揺るぎなくありました。最高です。
『仮面ライダー鎧武』も面白いと思っていましたが、『サイコパス』の方が面白いかも。
いや、絶対面白い。
虚淵玄最高傑作は『サイコパス』かもしれません。個人的には。
どうしてこんなにも夢中にさせられるんでしょうか。
根底にあるディストピア信念
まず、虚淵さんの信念といってもいいでしょう、このディストピア感。観と言ってもいいですか。
「未来が明るいなんて大嘘だ!」
ってぇのがひしひしと伝わってきます。
実際そうかどうかじゃないんですよ。ただ、物語を楽しむときにディストピアってものすごく有用だと思うんです。
だって、「今より先に無条件でいいものが待っているわけじゃないよ」ってことですから。
英雄譚を語るためには、今よりいい時代だと都合が悪く無いですか。
だって、そんないい背景の時代に、英雄なんて要らないでしょ。
っつーか今、英雄が欲しいよ。
ってぇふうになりますから。その点、ディストピアは英雄との相性が良い。
過去もいいですが、過去は史実との対比という問題もあるし、何よりアニメでしか出来ないこととは言いがたいですからね。
根底から価値観がひっくり返る気持ち良さ
「シヴィラシステム」ってぇのも良いじゃないですか。
世の中はシヴィラシステムのお陰で上手く回っている、だから安心して朝寝が出来る、という欺瞞。
そしてそれを守るべく戦い、疑い、そしてその外に出ようとする。
これぞ最高の皮肉です。
最高のシステムが、裏では如何に恣意的なものであったかというのもたまりません。
中二心がそそられます。
前提が、お好み焼きを返すように綺麗にひっくり返る様は、最高のエンターテイメントになりますね
揺るぎない絶対悪と、存在しない絶対善
槇島という絶対悪に対し、主人公たちは絶対善ではありません。
むしろ、価値観をひっくり返され、うろたえ、その中で自分たちの正義を形作ろうと戸惑う。
アウトローになったり、死んだり、不善を知りながら縦社会に組み込まれたり。
自分の中の善について深く考えてもがく主人公たちって、なんでこんなに魅力的にうつるんでしょうね。
テンポと言葉遣い
正直、作画は結構崩壊してるシーンも多いです。
そこまで丁寧に描かれていないところも、ぶっちゃけ多いかと。
ただ、キャラクターの紡ぎだす台詞の中二臭さと、会話劇のテンポの良さは特筆モノです。
個人的にはノイタミナには字幕があるというのも嬉しいですな。
字で読みながらアニメを楽しむことで、会話の理解度が随分と違ってきます。
花澤さん可愛い
ざーさん!!ざーさん可愛いよ!!
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