毎年行っております、立川志の輔独演会。
今年も即完売の大人気のようで。
[amazonjs asin=”B00006RTB3″ locale=”JP” title=”志の輔 らくごBOX”]
志の麿 金明竹
トチリもありながも、立派に前座を務めあげました。
しかし、町田のお客さんはよく笑う。
やりやすいだろうなぁ、と思います。
プロにとっちゃアマキンは良くない、という人もいますが、セコよりゃいいでしょ。
やかん
マクラでライオンの下りが出た時に、「お、『バール』かな」と思いましたが、『バールのようなもの』のマクラを持ってきた『やかん』でした。
師匠・談志とは違った、徹底的な理屈屋な志の輔師匠らしい、『やかん』。
どちらかというと金馬師匠に近いかしら。
高瀬舟
先日の三鷹でも演ったネタ。
チケットをとっていたものの、仕事の都合で行けなかったので、今回改めて聞けて満足でした。
森鴎外の作品の中でも最も読みやすいものの一つでしょう、『高瀬舟』。
この一席は、これを落語的な話芸に変換し、再構成したものでした。
師匠・談志が「業の肯定」と言った落語。
志の輔師匠は落語をどう捉えているのか。
先日、サンキュータツオさんが「志の輔師匠いわく落語は全編が『照れ』だそうだ」と言っておられましたが、この『高瀬舟』の一席に関して言えば照れを排した、非・落語的なものの追求をなさっているのではないかと考えます。
落語から照れを抜いた「文学的なもの」に迫るために、あえて文学を演っているのでは。
そんなふうに思いながらズーンと沈んだ気持ちになりました。
お菊の皿
仲入り後、「高瀬舟の気持ちのままで帰らせるのは良くない」とおっしゃる師匠。
やっぱり「”俺はこれでいいんだ!”と思って帰って欲しい」との弁に、「さすが」とうなります。
小噺をふんだんに盛り込むなかで、師匠がおっしゃった一言が心に残ります。
「何故勉強するのか」の問いに対しての答えは「一回でも多く笑うため」でございます。
勉強しなきゃあ、笑えないこともある。
今の小噺だって、ピカソを知らなきゃ笑えないんでございます。
ハッとしましたね。
そう。人生を面白おかしく生きるために、勉強するのです。
けして評価されるためではない。そこを履き違えると勉強が辛くなっちゃう。
肝心の『お菊の皿』、志の輔師匠から聴くのは初めてですが、生でこの噺を聴いたのも超久しぶり。
業の肯定らしい、生き生きとした一席でございました。
最新記事 by 写楽斎ジョニー (全て見る)
- スチュアート・ハグマン監督映画『いちご白書』感想 - 2024年10月10日
- トム・シャドヤック監督映画『パッチ・アダムス』感想 ロビン・ウィリアムスのお涙頂戴! - 2024年10月8日
- ガルシア・マルケス著『百年の孤独』感想 10年ぶり2度目。しかし不思議な話だ - 2024年10月6日