人生ベストアニメを3つ選べと言われたら間違いなく名前が上がる作品です。
たまこまーけっと。
[amazonjs asin=”B00AYRKF7M” locale=”JP” title=”たまこまーけっと (1) Blu-ray”]
心酔に心酔を重ねたあたくしは何回観重ねたことか。
こんなに何度も同じ作品を見続けたりやり続けられたのは、『マザー2』か『四畳半神話大系』、『夜は短し歩けよ乙女』、『刺青』『御馳走帖』『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト』……結構ありました。
でも、でも、最高でしたよ。
今回はその映画化。ブルーレイの売上がイマイチだったと聞いていたので、「たまこまの続きは無いのだろうか」と早合点していたあたくしには、オリンピックが東京に決まったことよりもたまこまの映画がやることのほうがよっぽど朗報でした。
以下、ネタバレ含む感想です。
1.もうオープニングから泣ける
いきなり『恋の歌』から始まるんですよ。もうね、涙なしには観れない。観れないよ。思い出すだけで泣けてくる。
パブロフの犬みたいになってるんですね。もうこの曲の、冒頭のイントロ、それだけで涙腺がガクガクしてくる。恐ろしい平気を創りだしたもんですよ、京アニは。
2.デラが居ない
まさかのデラ不在。デラがいないことで、こんなにもストーリーにギャグが無くなるかと、驚きます。考えれば『たまこまーけっと』はデラの物語。デラが来たところで始まり、デラが帰る話で終わる。デラのいない『たまこまーけっと』にポイと置かれた我々視聴者は、「視点」を突然失うことになったのです。
「映画はテレビアニメとは雰囲気違う」という意見も散見されますが、それは違うでしょう。デラが居ないんですから。「テレビアニメとは視点が違う」もしくは「目線が違う」ということです。
同じ物語の延長でも、デラがいないとこうも話しが違うのか。そこに我々はデラが豆大福を食らったような驚きを禁じ得ないのです。
3.物語はとても単純で味わい深い
恋の話です。最初から最後まで、恋の話。
「こういうのが、観たいのよね」と思わせられる、グッとくる恋の話。世界の平和とか誰かの生き死にとか、そういうのじゃない、恋の話。
単純だからこそ、奥深さが必要になってきます。好いた好かれたの話ってぇのは、それだけ普遍的なものですから。みんな舌が肥えています。
で、この『ラブストーリー』はどうか。
「初恋がしたい」と思いました。もうね、大人の恋とか別にいいんです。そんなに要らない。おれ、妻子いるし。でも、初恋が、したい。出来ないけど。
恋する自分を受け入れられない状態でもがき苦しみたい。好きで好きで仕方がないんだけど、それを素直に受け入れることなんて到底出来ないような矛盾した気持ち。
『現状を、ありのままを、変化を、受け入れる』というのがこの作品のテーマのようなものだと思うのですが、それが出来ないのですよ、若いから。だからこそ、初恋は美しいんです。
4.かんなちゃん可愛い
たまこはもち蔵に譲るとして、あたくしはかんなちゃんをもらいます。
好きなもの→直角
とか最高に可愛いでしょう。あたくしがお前の家を建ててやんよ!!
5.このアニメーションを見ろ!!
この映画で、もっとも素敵なアニメーション。それは……
- 体育館でのかんなのストッキング走り
- 大変なことを告げられたあとのたまこの濡れっぷり・走りっぷり
- 北白川あんこの着替えシーンに、ドキッ!末おろそしい娘……
ですかね。
これ、ほんと、すごい技術。特に「かんなのストッキング走り」は度肝を抜かれました。「すげぇ!!」と思うと共につい笑ってしまう。笑いとドッキリとが共存する素晴らしい技術。さすがです。
6.最後に
今年ナンバーワン級の映画であることは間違いないです。
『アナと雪の女王』と悩む方の中で、テレビアニメを見た方がいらっしゃれば、間違いなくこっちを選んで欲しい!
自信をもっておすすめです!!
最新記事 by 写楽斎ジョニー (全て見る)
- 黒澤明監督作品『まあだだよ』感想 所ジョージがハマってる - 2024年9月24日
- 隆慶一郎著『時代小説の愉しみ』感想 こだわりの時代小説おじさん - 2024年9月22日
- 辻村深月著『傲慢と善良」』感想 でもモテ男とクソ真面目女の恋愛でしょ - 2024年9月17日