名倉靖博氏が自らにささげた?
今回のスペースダンディは半端ない回でしたね。
これは大半の人が混乱し、一部の人が圧倒され、そしてオタクがニヤリとする噺だったのではないでしょうか。
この作品の根底には、今回の絵コンテ・演出を担当された名倉靖博氏の、ご自身へのオマージュがあったと考えています。
押井守氏の映画『天使のたまご』
1985年に後悔された、押井守氏の映画『天使のたまご』、この作品の作画監督と原画を務められたのが、この名倉氏なんですね。
あたくしも中学生の時分に見て、何のことだかさっぱりわからなかった思い出があります。
今、懐かしさで見直したのですが、やっぱり意味不明。
ストーリーを追うものではないんでしょうけれどね。
ノアの方舟が陸地を見つけられなかったもう1つの世界。巨大な眼球を模し、中に複数の人型の彫像が鎮座する宗教の象徴のような機械仕掛けの太陽が海に沈み、世界は夜を迎える。
方舟の中の動物がすべて化石になった頃、忘れ去られた街で一人の少年と一人の少女が出会う。
だとか、
生死や世界の変化は描かれるものの起伏のあるストーリーはほとんど存在しない前衛的内容である。押井が言うに、見所はストーリーではなく、たまごの中に何が入っているのかという点であるという。
だとか、
とにかく難解で魑魅魍魎としたものであることは伝わると思います。
何が言いたかったのか
「西洋趣味のコンプレックスな人が、ロリコンを全開にした映画」くらいにしか思わなかったのが当時のあたくし。
いま見ても、大して感想に変わりはありません。
難解にすぎて、あたくしの頭では勝負出来ません。
今回のダンディでは、ダンディという人柄がこの噺とマッチしないことによって、一般人の視点が生まれたと思います。
置いてけぼり感が、これでも、少なかったですな。
そして、分かりやすい哲学的なことばを盛り込むことが出来ています。
ここはどこでもあるし、どこでもないさ
楽しく生きてきたってどうせすぐ死んでしまう…それがちょっと長いか短いかの違いだ
我々は一体なんのために生きているのか。
「どうやって生きていくか…それが問題だ…」
「それはどうやって死ぬかと同じことじゃない?」
「ちょっと待て!悲しみだけじゃなく喜びもないってことじゃねーかよ!
俺は認めねぇ。食い物もおっぱいも欲しいしブービーズだってまた行きてーし!
俺はまだ死にたくねーんだよ!」
「なんでだ?」
「それは…あなたに恋したから」
「そっか…まぁいい男だからしょうがねぇか。あんたも、なかなかいい女だぜ」
ダンディ節にあふれていますが、彼の存在によって、あの混沌世界の一片からの世俗的な見解が我々にも理解できます。
よく出来た存在ですね、ダンディって。
で、何が言いたかったのか
そこなんですけどね、あたくしも、結局分かりませんでした。
板倉さん、難解すぎますよ。
あたくしにゃ無理です。
ただ、面白かったのは事実。これを全部、作った人に解説して欲しいですね。
あ、こうやって円盤を買わせる手法か!?オーディオコメンタリーで答え合わせなのか?!
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