『超入門「中国思想」』感想_2 荀子が好きだ

荀子、その名前覚えておこう。

2 性悪説と礼の主張

位置: 1,109
人の性は悪なり。其の善なる者は 偽 なり。(『荀子』性悪篇)
ただ、この意味は、 人間はそのままでは悪になってしまう、というものです、そして、善というのは「偽」つまり人為的努力を加えた結果もたらされるもの。言い換えれば、人為により善に向かうことが可能だ、とも言っているのです。

マキタスポーツ氏の至言の一つに「頑張らないと親に似る」というのがあって、それに近いかも。人為こそが必要だ、偽善こそ過程だ、ということでしょうね。

位置: 1,129
そしてもう一つ、再評価されるべきは、荀子の説いた「礼」の重要性でしょう。

礼は大切。お互いの安心のためにね。コミュニケーションとしての礼。
若い頃は馬鹿にしがちだったけどね、必要ですね。

3 荀子の言葉

位置: 1,196
争気 有る者とは、 与 に 弁ずる 勿 かれ。(『荀子』勧学篇)
争いの気質がある者とは弁論するな、という意味。

現代でもいますね。やたら論破しようとしてくる人。
そういう人とは関わり合いにならないことです。荀子、良いこと言う。

位置: 1,229
名を盗むは 貨 を盗むに 如かず。(『荀子』 不 苟 篇)
実態を伴わない名声を自分のものにしようとするのは、財貨を盗む泥棒よりもたちが悪い、という意味。
孟子も、評判が実情以上にあがるのを恥と思え、と言っていました。荀子はさらに、こうした名称と実態との関係について深く思いを致し、一本の論文を書いています(『荀子』 正名篇)。

これも現代にある。実態を伴わない名声は質が悪い。
まぁ、勝てば官軍的な価値観もありますけどね。あたくしは性質上、前者のほうが心地良いですね。人前に広く出ることが善とはしない人生。

1 墨子の謎

位置: 1,343
諸子百家の時代、もっとも大きな勢力を誇ったとされるのが、儒家です。
さて、当時、この儒家と激しく対立した学派がありました。それは、 墨家です。

兼愛・非攻の活動家集団。秦漢帝国時代に突然消える。ロマンチックですね。

3 墨子の言葉

位置: 1,587
大切なのは、 短時間に切り上げること、感情的にならないこと、そして、どのような理屈で相手を説得するか ということです。墨子がいう「三法」は、現代社会の議論にもそのまま応用できるでしょう。

良いこと言う。短時間に切り上げる、ってのは大切だ。

2 老子の思想

位置: 1,771
上 善 は水の 若し。水は 善く万物を利して 而 も争わず、 衆人 の 悪 む所に 処 る。 故に 道 に 幾 し。(『老子』第八章)

これは老子の教え。酒としか思えませんが。
最後の故に道に近し、というのがいいね。

位置: 1,805
学を 為せば日に 益 し、道を為せば日に 損す。之を損して 又 損し、 以 て 無為 に 至る。無為にして 而 も 為さざる 無し。(『老子』第四十八章)
学問をすると日に日に知識が増えていく。これに対して「道」のあり方を実践していくと日に日に「もの」が減っていく。減らした上にもまた減らし、ついには「無為」の境地に至る。
しかし、 無為とは何もしないということではない。何もしていないようですべてのことを成し遂げている。

断捨離の基本理念のようだ。損、というのが決して損でないということだね。
無為の境地。ここにたどり着くのがあたくしの人生の近道のような気がしますね。

2 韓非子の思想

位置: 2,224
皆 安利 に 就き、皆 危 窮 を 辟 く。 (『韓非子』 五 蠧篇)
人間というものは、みな安全で利のある方に向かい、危うく切迫しているようなところを避けるものだ、と考えたのです。かつて、孟子は性善説、荀子は性悪説を説きましたが、韓非子は、善か悪かなどという道徳論は説きません。冷静に人間を観察し、その実態をこのように見て取ったのです。

荀子は「人間は悪と思ったほうがいい」というのに対し、韓非子は「人間はこういうもんだ」という。理想家と写実家の違いのようですね。

位置: 2,280
中国兵法の開祖孫子による兵書『孫子』がしばしばクラウゼヴィッツの『戦争論』と対比されるのと同じように、『韓非子』はしばしばマキャベリの『君主論』と並んで顕彰されます。

へぇ。面白い指摘。常識なんだろうけどね。初めて知った。

3 孫氏と韓非子が生んだ故事成語

位置: 2,331
風のように迅速に行動し、林のように声を 潜めて姿を隠し、燃えさかる火のように侵略し、山のようにどっしりと動かない、という意味です。
ところが、これだけでは、何を意図した言葉なのかよくわかりません。そこでその前後を読んでみましょう。直前にはこうあります。
兵は 詐 を以て立ち、利を以て動き、 分合 を以て変と 為す者なり。
戦争は、奇計によって敵を 欺くことを根本とし、利に合致するかどうかを判断基準として行動し、分散と集合の配合によって巧みに変化していくものだ、という意味です。

確かに風林火山ってそのままじゃ意味わからない。しかしそのままなんかカッコいいと思って使ってました。反省。

風林火山ってのは、そういうときに、こう動くよ、っていうあくまで形容の話なんだね。

位置: 2,344
陰(影) のように実態をわかりにくくし、雷の 震うように激動して、村里から 掠奪 するときには兵卒を分散して効率よく収奪し、土地を奪って拡大するときには利益となる 要衝 の地に兵を分けて駐屯させ、「権」(臨機応変) の対応によって行動する、という意味です。何ともすさまじい内容です。「風林火山」だけだと何かさっそうとした印象もありますが、実は掠奪についても触れているのです。孫子の兵法では、長距離侵攻作戦の場合、食料は現地調達が原則とされているから

風林火山の続き。
卑怯なこと、略奪のこと、結構シビアに書いてあります。そりゃ、兵法だもんね。

荀子と韓非子、もうちょっと知りたくなりました。

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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