『超入門「中国思想」』感想_1 荀子が好きだ

人間って昔からそれほど進化していないなぁ、と思わされますね。
人間の技術は進化したけど、本質はそれほど。

中国の古典、特に今から二千数百年前の「諸子百家」の思想は多種多様!他人と交わって、社会人として生きていくことを説く孔子。人の本性を「善」だと言い切った孟子、「悪」だと断言した荀子。「兼愛」と「非攻」を掲げた墨子。文明化を真っ向から否定した老荘思想。戦場における組織と運営の理論を説いた孫子。法治の思想を完成した韓非子。陰陽師で一躍有名になった呪術的思想のルーツ「五行説」をまとめた鄒衍…多様な角度でわかりやすく解説。思考の引き出しを増やそう!

著者は湯浅邦弘さん。
菜根譚のビギナーズ・クラシックス以来ですね、拝読するのは。「100分で名著」の老子・孫氏の回などを手がけられています。

位置: 66
孔子や荀子が学問の大切さを力説し、人間の文明化を 讚えるのに対して、老荘は、文明化こそが人間を不幸にしているのではないか。人間は、素朴なままでいるほうが幸せなのではないか、と説きます。そこで、無理をせず、欲張らず、一歩身を引く、という思想が展開されるのです。儒教と老荘は、中国思想の二つの大きな柱と言われます。また、これに仏教を加えた三つが、「三教」と呼ばれることもあります。

ゴージャスか、清貧か。
ジェーン・スーさんみたい。

人間、突き詰めるとどちらかなのかね。あたくしは清貧を選びましたが。

1 孔子の時代と人生

位置: 341
四十を過ぎて名声が聞こえてこないばかりか、逆に人から憎まれるようでは、もうおしまいだねというのです。人間の価値評価の分岐点として、孔子が四十歳を重視していたことがわかるでしょ

アラフォーの自分には身につまされるお言葉。
せめて憎まれないように生きていきたい。

3 二つの視点

位置: 646
ところが、孔子は、 自己と他者、両方に目を向けて、この社会をいかに良好にすべきかと、心を砕いたのです。
その思想は、富国強兵を目指す当時の国々には受け入れられませんでした。しかし後に、国家の統治システムとしてきわめて有効なものだと再評価されたのです。

つまりは、孔子の考えは国ありき。右翼的だね。
個人主義のあたくしには合わない、はずなんだけど、妙に孔子の考えって好きなんだよね。己の中の全体主義的なところが反応するのかしら。

2 性善説とはなにか

位置: 880
ではそこまでして、孟子が性善にこだわるのはなぜでしょうか。それは、 孟子が理想とする国家体制にとってそれが必須だったからです。人間に善という共通項がなければ、リーダーがどんなに頑張っても、決してよい世の中にはならない。例外的に悪いことをする人がいたとしても、それはあくまで一時的な出来事なのであって、いつかは必ずみなが善に目覚めるはずだ、と考えたわけです。そうでないと、この世に絶望するほかはありません。

位置: 886
確かに孟子の性説は、それが理論として正しかったかどうか、当時の人々を説得できる強固な理屈であったかどうか、については疑問が持たれます。しかし、 すべての人に善なる性が先天的にあるのだというのは、人類に希望を与える思想でした。

孔子孟子の思想の根底には国家がある。
そこは大切なことだと思うんですな。

為政者にとって都合の良い理論という側面は否定できない。

1 荀子の活動と評価

位置: 1,038
荀子は、儒家の代表的な思想家としては顕彰されていないのです。これはどうしたことでしょうか。
その最大の原因は、荀子の説いた「性悪説」にあるでしょう。

この本を読んで、一番しっくり来たのは荀子の思想ですね。どちらかといえば性悪説よりの人間です、自分は。

位置: 1,063
これに対して、『荀子』は、冒頭の「勧学」篇、次の「修身」篇をはじめとして、その主題をずばり篇名としています。
ここには明確な著述・編集の意図が見られると言えましょう。中国の文献史上において、著者自身が論文を書き下ろし、そこに端的な篇名を付けるというのは、これがはじめてのことでした。

著者が自分の意見を章立てて書くのは荀子が初めて、って面白いね。今まではすべて弟子まかせ。

位置: 1,072
君子 曰く、学は 以 て 已 むべからず。青は 之 を 藍 より取りて藍より青く、 冰 は水 之 を 為して水より寒し。(『荀子』勧学篇) (君子が言う、学問は中途でやめてはならない。青色は藍草から取るが藍よりも青くなり、氷は水からできるのだが水より冷たくなる。)

この比喩は、学問の重要性を説くものです。篇名の「勧学」とは、文字通り、学問を奨励するという意味。 人は学問によって自己改革することができ、成長するのだ、というのが荀子の教えです。

人間は生来悪かもしれないから、学問によってまともになりなさいよ、ってことかしらね。あたくしの考えとだいぶ近しい。

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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