『夫婦茶碗』 サブカル臭くっていけねぇ

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この人の音楽もそれほど心に響かなかったしねぇ。

金がない、仕事もない、うるおいすらない無為の日々を一発逆転する最後の秘策。それはメルヘン執筆。こんな〈わたし〉に人生の茶柱は立つのか?! あまりにも過激な堕落の美学に大反響を呼んだ「夫婦茶碗」。金とドラッグと女に翻弄される元パンクロッカー(愛猫家)の大逃避行「人間の屑」。すべてを失った時にこそ、新世界の福音が鳴り響く! 日本文藝最強の堕天使の傑作二編。

猛烈に香り立つサブカル臭。
こういうのが好き、という人が多数いるのは分かります。癖があって味がある。酒盗のような文章をお書きになる。

しかし、趣向が合わぬ、というんでしょうか。
好き!とまではいかない。その領域に達するほどの、シンパシーが沸かない。

そもそも、この方の音楽もそうでした。
味があり、癖があり、思想があるのも分かる。けど、好きじゃあない。

パンクロックは好きなんですけれどもねぇ。The Clashとか。
どうもこのINUというか町田康は……。なんででしょ。

そこでわたしはドアーを開け、大声で、「ただ山今夫」と怒鳴った。げらげらげら。ただいま。といえば味もそっけもない帰宅の文言を人名になぞらえ、ただ山今夫。あっはっはっはっ。うるおいがある。これだよ、これ。我が家にはこれが欠けていたのだ。なるほど。と、玄関でひとり喜んでいたのであるが、そのうち、うるおいはなくなった。なんとなれば、うるおいは独力で達成されうる類の情趣・情感ではない。人の間と書いて人間。誰かこれを共有する者がなければ、人間的とはいえぬのである。この場合で言えば、間髪を入れず、玄関に出迎えた妻が、まじめな顔で、「丘エリ子」と言うべきで、妻がそう言った後、約二秒間沈黙し、突如爆笑、「ただ山今夫、丘エリ子、こいつぁいい」などと言い合って、互いの肩を抱き、身をうち震わせて爆笑しなければうるおいとはいえぬのである。
at location 813

一事が万事、この調子。
ユーモアあふれる、おかしみがある、洒落っ気がある。

それはわかる。

わかるけれども、どうも好きじゃない。
Amazonのレビューとかみるとファンが圧倒的にいらっしゃるようで。ホウホウナルホドとは思うのですがね。
同じような怒涛の文字数と熱量とユーモアで圧倒するタイプの文字書きとしてなら、スタパ齋藤さんのほうが好き。

こういうケースはたまにあるのですが、悲しいですな。
分かることが出来たなら、もっと読書が楽しかったはずなのに。

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都内在住のおじさん。 2児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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