いや、読んでみるもんですよ。
元々アニメのための物語。これをあえて小説化。だから原作でもない。
しかし、読むと色々分かることがあります。
まず、新海誠という人の脳の若さ。
小説的・文芸的ではけしてないですね。言葉もよくあるヤングアダルト程度の語彙。
そしてやっぱり陶酔しやすいお方のようだ。文章に自己愛が偏在している。「おもろいやろ?」が透けて見える。
とはいえ、本業ではないものの仕事ですからね。そこを差し引いたら、まあ、読んでよかったんじゃないかなと。
p17
「いただきまーす」
つるりとした目玉焼きにソースをたっぷりかけて、ご飯と一緒に口に入れる
まずアニメで見落としていました。
三葉はソース派。しかもたっぷりと。これは思っていたよりも田舎臭いです。
p57
なにこの場所!?いい大人が平日の日も高いうちから犬連れてカフェ!?
「天井の木組みがいいね」「ああ。やっぱ手がかかってんなあ」
そんな超絶お洒落空間で司くんと高木君は全く臆するふうもなく、笑顔で内装の感想なんかを語り合っている。
どうもこの子達は建築物に興味があってカフェ巡りをしているらしい。
これも見落としてた。単なるカフェ巡りファンかと思ったら、内装とかの研究のために巡ってんのね。一応、瀧は一貫してんだな、そのあたり。
p157
いいやあ。でも今所のお前を見とったら、思い出したわ。ワシも少女の頃、不思議な夢を見とった覚えがある」
なんと! こりゃ話が早くていい。さすが日本昔話一家。俺もテーブルに腰を下ろす。婆ちゃんが、俺の分のお茶も入れてくれる。ズズズ、とお茶をすすり、婆ちゃんは話を続ける。
「あれはたいそうおかしな夢やった。いいや、夢というよりは、あれは別の人生やった。わしはまるで知らない町で、知らない男になっとった」
それは例えば関東大震災?1923年だから婆ちゃんが100を超えているならありえる。しかし、まぁ、二葉の母だとするとそれはないか。70代か。すると空襲か?ちょっと時間が合わない気もする。空襲は人為的だしな。
「超絶お洒落空間」とか書いちゃうの、どうかとは思うけど、まぁ、若いってことだな。
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