『夜明け告げるルーのうた』 結構いいと思うけどな

湯浅政明監督の作品とあらば、とりあえず見に行くべし。

「マインド・ゲーム」「四畳半神話大系」「ピンポン THE ANIMATION」など個性的な作品で知られ、「夜は短し恋せよ乙女」も手がけた湯浅政明監督の完全オリジナルによる劇場用長編アニメで、人間の少年と人魚の少女の出会いと別れを丁寧かつ繊細な描写でつづった。寂れた漁港・日無町で、父親や祖父と3人で暮らす男子中学生カイ。両親の離婚が原因で東京からこの町へ引っ越してきた彼は、両親に対し複雑な思いを抱えながらも口に出すことができず、鬱屈した日々を送っていた。そんなある日、クラスメイトの国男と遊歩に誘われて人魚島を訪れたカイは、人魚の少女ルーと出会う。カイは天真爛漫なルーと一緒に過ごすうちに、少しずつ自分の気持を言えるようになっていく。しかし日無町では、古来より人魚は災いをもたらす存在とされており……。人魚の少女ルーの声を人気子役の谷花音、主人公カイの声を「くちびるに歌を」の下田翔大がそれぞれ担当。
http://eiga.com/movie/86345/より

とはいえ、ちょっと色々と損している気もします。
だってどう見たって、『ポニョ』と『君の名は。』を足して割った感じの作風なんだもん。いや、いくらなんでも、ちょっとキービジュアルとかが被りすぎていて、不安要素でしょう。
前半はボーイ・ミーツ・ガール(?)、で、後半は震災もの、なんてね。いくらなんでも去年大流行した映画のプロットそのままじゃんすか。

『歌うたいのバラッド』もいい曲だけど、作品の中で必然性を持って唄われることはなかったし、物語も「なんだかな」的なところが多い。ぶっちゃけ粗は目立つ。

けど、けどけど!!

目にはとびきり優しくて面白かった。
観ていて、すごく、ワクワクしました。

途中、随所にあるダンスシーン、OPテーマ、水がところてんみたいに出る描写……。どれも観ているだけでうっとり。
正直、物語なんてなくていいのだ、とか思ってしまいました。

とはいえ、監督がインタビューで言っていたように

本作は、湯浅が抱いていた「心から好きなものを、口に出して『好き』と言えているか?」という現代への疑問を着想の源に、主人公の少年による”心の解放劇”が物語の主軸となっている

のがテーマだとしたら、ルーに対する気持ちが「心から好き」なのかしら。だとすると、ちょっと、感情移入しづらいかな……。
そのへんはやっぱり減点。

一緒に行った友人たちはそうでもなかったみたいだけど、あたくしは結構好きでした。うん、悪くないよ。

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