映画『そこのみにて光輝く』 あたくしはこれを、欲していない

これに惹かれる人がいるのも分かります。

芥川賞候補に幾度も名を連ねながら受賞がかなわず、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志の唯一の長編小説を、綾野剛の主演で映画化。仕事を辞めブラブラと過ごしていた佐藤達夫は、粗暴だが人懐こい青年・大城拓児とパチンコ屋で知り合う。ついて来るよう案内された先には、取り残されたように存在する一軒のバラックで、寝たきりの父、その世話に追われる母、水商売で一家を支える千夏がいた。世間からさげすまれたその場所で、ひとり光輝く千夏に達夫はひかれていく。しかしそんな時、事件が起こり……。

暗い作品が嫌いなわけじゃないし、暴力が嫌いなわけでもない。
また、愛も感じるのです。撮ってる人のも、作っている人のも。

ただ、この手のものを、自分は欲していないんだと、32年も生きていると分かってきます。

役者も頑張ってるし、カメラさんもすごい。
映像は美しいし、音楽もいい。
しかに、自分にゃ要らない。

人並みですが、菅田氏も池脇氏も、素晴らしい。
雰囲気から役作り、セリフ回し顔形表情、どれも満点。

くどいけど、だけど、自分にゃ要らない。

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