映画『虐殺器官』 なかなか良いじゃん

あの原作をどういう具合に映像化するのか、期待半分不安半分でしたが。

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9・11を経て、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……彼の目的とはいったいなにか? 大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?

まずWikipediaは見ないこと。
潤沢なネタバレが待っております。

原作が好きでね。
映像化を楽しみにしておりました。

原作の映像化というのは、いつだって不安です。まるで好きだった子に会いに行く同窓会の気持ちです。他人事なのに自分のことのよう。

さて、感想ですが、これがなかなか良かった。
人工筋肉の描写は文章よりも映像のほうがしっくり来ました。
絵から察せる情報量の多さも、まずまず。ウィリアムズのいい具合のガサツさってのがまた愛らしかったり。
ヒロインのルツィアの儚げな美しさというのもまた、いい具合でした。隙のある服とかもまた、良し。

終わり方と、エンディングのEgoistだけがちょっと不満かな。
何だか急にノイタミナ感を押し付けられた、というか。お金の匂いがしてきちゃって。
エンディングはベートーベンでしょう。ここは。

前後したけど終わり方、ね。
不満とまではいかないけど、原作未読者には不親切でしょう。
突き放すにしても、もうちょっとやり方があったのでは。原作にあった終末のピザも無かったし。

『ときメモ』の名言も出てこなかったし、かなりシリアスなテイストに仕上がっています。それはそれで良し。ただ、やっぱり原作読んじゃうと、どうしてもそっちの肩をもちたくなっちゃうんだよねぇ。

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