この間の圓朝寄席につづいてこのお二人です。
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圓楽党の噺家さんはお目当てで行かないと中々見られないので貴重ですね。
たい平師匠は今度、末広の主任がありますのでそこでも観たいと思っています。
寄合酒 三遊亭わん丈
”金髪のマクラ”で、静かなブームのわん丈さん。
落語ファンのなかで有名になっているようですが、あたくしはやっと初めて、生で聴くことができました。
会場のウケも上々で、いい前座でした。
往年の噺家さんからは怒られそうなほどの笑いをとっていました。
青菜 林家たい平
先日の喬太郎師匠の芸賓館でも演られていた『青菜』。
いい味ですねぇ。職人といい、旦那さんといい、いーい味が出ております。
職人の気風の良さ、旦那さんの饗し慣れた言葉遣いと態度、おかみさんの恐ろしさ。
どれも落語のテンプレートであり、落語が共感の芸術であることの証左でもあります。
青菜を演らせたらこの方の右に出る人は居ないんじゃないかしら。
そう思わせるような完成度の高い青菜でした。
三味線漫談 林家あずみ
先日の喬太郎・昇太二人会につづいてあずみ姐さん登場。
いい声です。でも、矢野顕子はもういいかな。
お化け長屋 三遊亭圓楽
おなじみ笑点の話題を中心にゆったりとマクラに入る円楽師匠。
もう笑わすも唸らすも自由自在、といった余裕さ。高座が分かりきっているといった印象でした。
やっぱり残念だったのは、声がだいぶヤラれてるところ。それは本当に残念。
65歳だそうですから、納得せざるを得ませんが。
根多はお化け長屋。
面白い話をどうアレンジしてくるか見物だと思っていたところ、度肝を抜かれました。
噺が登場人物から離れないのです。
よく高座では、地噺のように、物語の途中で演者つまり噺家がナレーターのようにメタ視点で話すところが出てくるものです。
蕎麦の噺をしていれば「蕎麦といえば先日、こんなことがありましてね」「当時の蕎麦は16文と相場が決まっておりましてね」とか、そういうナレーション、演者の語りが入る。
が、圓楽師匠はそうはしないのです。
ナレーションしているようで、実は登場人物がメタ語りをしているのです。これはびっくりしました。落語の登場人物が、急にすべてを悟ったかのような反応をする。
あとから来た職人が、古狸の杢兵衛との掛け合いをするところでは、どっちもツッコミ、どっちもボケになって、メタな話をする。
上手く説明できませんが、とんでもないイリュージョンを観たような気がします。
圓楽師匠の落語、今はどのアタリにいて、どこを目指しているのか。
気になって気になって仕方がありません。
素晴らしい一席でした。
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