お目当ては遊雀師匠だったのですが、菊之丞師匠も驚くほど良かったです。
遊雀『蛙茶番』
遊雀師匠の最低限の首の振りと大きめの口角の動作で笑いを最大化する仕草、たまりません。本当にこの方は首を振らない。演じ分けない、というのではないのですが、そこに動作を置かない。
動作の強弱が見事です。
下根多ではありますが、笑いの品の良さを感じちゃったりして。
菊之丞『干物箱』
志ん朝師匠の音源でしか聴いたことがない『干物箱』。菊之丞師匠はその音源わらずそのまんまやっていました。それがまた、何とも言えず面白くってね。
この方も品のいい笑いをなさる、と思っていましたが、加えてそこにフラのようなものを感じました。
菊之丞『野ざらし』
『野ざらし』なら柳家の型の方が好きだわ、なんて思っていましたが、どうしてなかなか。「金龍山浅草寺の金がゴーンっと鳴った」なんていい風情ですね。
妻は「始めて野ざらしの筋が分かった」などと申しておりました。
分かった、なんてほど難しい話でもないとは思うのですが。
やっぱり品があってよろしい。
遊雀『くっしゃみ講釈』
小姓の吉三、のぞきからくり。
イマドキ誰がこれ、分かるんでしょ。ご老人たちは分かるのかしら。
少なくともアラサーの間での浸透率はかなり低いような気がします。あたくしだって落語が好きじゃなかったら絶対知らない。
しかし、それはそれ。話の筋はそのままに、しっかり現代人でも笑えるように演るのが遊雀師匠の凄いところ。たいしたもんだ。
まとめ
いいもん観ました。笑いにも品ってありますな。
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