『立川談春 新春独演会 2016』 上手いけどクドい。

2016年の落語はじめは談春師匠から。

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年末にTBSの特番で『赤めだか』をやっていたのですが、これが、なかなか良くて。
落語ファンの間での評判はいまいちでしたが、テレビドラマ化の範囲でなかなか良かったと思います。
たけしの正座は談志師匠のそれとは桁違いの粗野さでしたが。
あれみると、談志師匠は本当にお辞儀が上手だったと思いますね。

粗忽の使者

談春氏なりのアレンジを随所にみせていて、うなるばかり。
確かに、新たな解釈を加えるという点で談春氏の落語は面白く、まさに立川流。
治部右衛門をまわりが揶揄しているのとか、確かに面白い解釈です。

大好きな噺です。さすが談春師匠と思わせる出来。

妾馬

昨年聞いた三三師匠の妾馬があまりに良くて、つい比べてしまうのですが、とにかく談春氏のは長い。
落語の話というのは、長い伝統の上で、長くて20分であるように作られていると思うのです。
その話を1時間もそれ以上もやる、というのは、どれだけ味付けが濃くなることか。

確かに、八五郎が袴を着終わったシーンから始まったり、途中で親とのエピソードが入ったりと、面白いアイデアは随所にありました。
けれど、ちょっとした付け足しに過ぎず、妾馬の可能性を広げるとまでは至っていません。

大師匠である小さん師匠の芸は、もっと引き算の芸でしたけどね。
やはり観ている側の落語リテラシーの問題なのでしょうか。
結果あたくしには、野暮ったくて、どうも、ネ。

amazonより抜粋

総括

全体的に、野暮ったくて、ね。
芝浜の三木助師匠の話とか、もっとシンプルでソリッドで面白かったと思ってしまうのですが。
それは、あたくしが、悪い古株の保守的なファンになってしまったということの証左なのでしょうかね。

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