『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』 やはり町山さんの物語力はすごい

たまむすびでお馴染みの町山さん。
アタクシ的にはストリームの頃からファンです。

書籍がようやく電子化したので、早速購入しました。
町山さんって時事のアメリカをとりあげるから、時間が経ってから読むと少し風化しているんですよね。そこが残念。

とはいえ、衝撃的なことばかりおっしゃる。本当かしらね。
あたくしもブッシュ嫌いでしたから、ブッシュ政権時代は快哉を叫んでおりましたが、今、冷静に考えるとブッシュ支持もブッシュアンチも、どっちも熱狂的に毛嫌いしておりましたから、冷静ではなかったでしょうな。

でも、時々ぎょっとするようなことをお書きになる。

アメリカ人は単に無知なのではない。その根には「無知こそ善」とする思想、反知性主義があるのだ。  1963年の名著『アメリカの反知性主義』で、歴史学者リチャード・ホフスタッターは、アメリカ人の知識に対する反感の原因のひとつにキリスト教福音主義を挙げている。福音主義とは、福音、つまり聖書を一字一句信じようとする生き方で(特に過激なのは聖書原理主義と呼ばれる)、自らを福音派とするアメリカ人は全人口の3割を占めている。

日本人にもありますよね、無知こそ善とする考え。
落語で言うと「与太郎こそ人間」とか言っちゃう人。談志師匠もそうでした。
んなわけないでしょ。智こそが人間を人間たらしめるのです。

レーガン政権の頃から、アメリカは新自由主義に基づいて、電力やガス、水道などの公共サービスを片っ端から民営化していった。民営化したってことは買うこともできるってこと。イギリスのナショナル・グリッド社はナイアガラ・モホークなどアメリカ東部の電力・ガス会社を次々に買収している。東京電力が中国に買われてしまう事態を想像して欲しい。市民の生活に不可欠な光熱費が外国に流れてしまう。しかもガスや電気のインフラ整備には政府から莫大な金が供給される。もちろん税金なわけだ。

これなんかもね、自由主義の弊害です。
ぎょっとしますね。