『鴨川ホルモー』万城目学著 感想

京大生の腐れモノということで

森見登美彦氏の著書だけでは飽きたらず、万城目学氏にまで手を伸ばします。

好きなんですよね、腐れ大学生もの。自分も腐ってましたから。思い出したいほど美しい記憶ってぇのはそんなにないんですけれど。
とはいえ、読んでいて懐かしい気持ちになるので好きです。

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本にパッションがあふれている

森見登美彦氏の著書もそうですが、デビュー作というものは作家の一番の手垢が付いている感じがして、とても好きです。

やっぱり作家の初期衝動というか、手垢というか、そういうものが良い。一番搾りの原理です。

ヒロイン・凡ちゃんへの愛も素晴らしい。森見登美彦でいうところの水尾さんですな。
筆者の一方的な愛をジリジリと感じます。きっと万城目さんも、切ない恋をして敗れ、そこを地味めな女の子に魂ごと救われたんじゃないでしょうか。その辺りはあたくしと一緒で、とっても共感できます。そういうのも含めて、大学生ものは好きです。

いけ好かない男への嫉妬や侮蔑、友への信頼どれも体験にもとづいているであろう手垢のつきっぷりです。

しかし、どうしてオラオラ系の男子ってモテるんですかね。
あたくしらのようなナヨナヨ文化系男子のほうが、よっぽど一途で愛が深いように思うのですが。

女子には女子の都合ってぇもんがあるんですな。

でも結局、主人公の安倍くんは凡ちゃんに一目惚れされているわけで。
イケメン大勝利ってことですか。ちきしょー。そういうことか。

裏山。

後日談もあるんだとか

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その名も『ホルモー六景』、ほのぼのと語られるのでしょう。こういうスピンオフに、あたくしはめっぽう弱い。
近日中に買っちゃうのでしょうね。