どうも、マツオです。
今回私が読んだのは『ドミノ倒し』 貫井徳郎著 です。
総合評価 ★★★★★★☆☆☆☆ 6/10点
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「元彼の殺人容疑を晴らして欲しい」探偵・十村の元に舞いこんだ美女からの依頼。しかし事件に触れると別の事件に行き当たり、さらなる別の事件を呼び起こす……。
「この街では何かが起きている」連鎖する未解決殺人事件と衝撃の真実。
文庫本の帯にはそんな風に書いてあります。
貫井徳郎さんの小説は処女作『慟哭』から読んでいますが、シリアスな殺人事件を想像して本に取り掛かりました。
しかし、この本は基本的にそこまでシリアスではない・・・
月影市という街で探偵業を営む十村が旧友の警察署長と共に未解決事件の謎に挑む物語。
構成は十村の一人称、一人語りで物語は進んでいく。
探偵が殺人事件に挑む、それはものすごい知的な香りがし、すごいトリックを天才の探偵が解いていく、さながら金田一何某のような、そんな期待をしませんか?
少なくとも私はしましたね。
しかし、それは見事に裏切られました。
十村はそこら辺にいる凡庸な人間が興味本位で探偵になりました! そんな奴です。
もう出てくる登場人物みんなに翻弄されるわ、謎の解き方をうまいことミスリードするわ、全く探偵には向いていない人間です。
だからこそ、この小説は成り立っているわけですが。
要は謎自体大したことはないのです。
しかし一般人から見たらそんなこと普通分からないようなことを、この十村は当然のことのように分からないのです。
だからこそうまいこと物語は謎を謎のまま残して進んでいきます。
この小説を読んでいくと残りページに対して、物語が本当に終わるのか?と思える程、謎解きのページが少ないです。
それもそのはず、この物語そうそう綺麗には終わりません。
人によっては何だこれは!と言いたくなるような終わり方です。
しかし個人的にはこんな終わり方が結構好きです。
想像の余地が沢山残されており、読者に解釈を委ね、物語は自分で完成させてくれと言わんばかりです。
投げっぱなしジャーマンのような小説ですが、月影市ってこんな所だよな、と想像すると面白いです。
さて、これから読もうとしているのは『リライト』 法条遥著です。
タイムリープもの、しかも4部作の1部目。わくわくします。
matsuo
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