『自分ごとの政治学』感想 平易だが思考を整理するのに丁度いい_2

そういえば中島岳志さんの著書を拝読するのは初めてかも。テレビじゃよく拝見しましたがね。

位置: 285
では、それに代わって今、政治的な思想や立ち位置を測るような概念はどこにあるのか。私が提案したいのは、政治的な対立軸を「お金」と「価値」というベクトルで考えることです。

位置: 351
このX軸の両極は「リベラル」と「パターナル」です。リベラルの対立軸はよく「保守」といわれますが、第1章で説明したように、保守とリベラルはむしろ非常に近い関係にあり、対立概念とはいえません。「パターナル」は、日本語だと「 父権 的」などと訳される考え方です。

これはしっくり来ましたね。
なるほど、確かに父権的でない保守というのもいるからか。あんまりイメージ湧きませんが。

位置: 356
近代政治学におけるリベラルの起源は、ヨーロッパの「三〇年戦争」に遡ります。これは、一六〇〇年代前半にカトリックとプロテスタントとの宗教対立が軸になって起きた戦争です。

戦争の結果、お互いに消耗戦になって、その反省から「リベラル」、つまり寛容ということになったわけだそうな。

位置: 378
リベラルが互いの思想や価値観の自由を保障する考え方であるならば、その対立軸となる「パターナル」は「強い力を持った人間が、相手の思想や価値観に介入していく」という考え方

これこれ、こういうのホント嫌い。
そういう意味じゃあたくしはリベラル好きなんだな。

位置: 431
三つ目の公務員数はどうでしょうか。日本は「公務員天国」などといわれたりして、公務員が多すぎるというイメージが浸透していますが、きちんと比較してみると、実は顕著に少ないのです。
たとえば、人口1000人あたりの公務員数を比較してみると、フランスでは80~90人台です。アメリカは75人くらい。スウェーデンやデンマークのような北欧諸国では100人を超えています。一方、ヨーロッパの中でコンパクトな政府といわれているドイツは60人台後半です。
では、日本はどうでしょうか。実は1000人あたり、30人台後半から40人台前半くらいという数値が出ています。フランスの半分程度です。

これは面白い指摘。公務員の数、少なすぎってか。
まぁ、アウトソーシングの時代ですからね。少なくってもいいんじゃないの。

位置: 456
しかし、この社会の支え合いがうまく機能していない、いわば「社会に穴が開いている」のは日本だけではなく、いまや世界的な問題なのです。このことについては、ポーランド生まれの社会学者、ジグムント・バウマン(1925~2017) が指摘しています。
彼は、著書『リキッド・モダニティ』(2000年) の中で、現代社会は「クローク型共同体」であると書いています。

実際、そういう実感はありますね。

位置: 466
彼は「カーニバル型共同体」といういい方もしていますが、より現代的ないい方をすれば「炎上社会」「バズる社会」のことです。

実際、バズったもん勝ちの世間になってきている実感はあります。
あたくしはこのブログも含め、対極的に生きようと思っていますが。

位置: 501
「あなたは、イスラム教徒によって殺されたヒンドゥー教徒の孤児を三人引き取りなさい。そして、その子たちをイスラム教徒ではなく、ヒンドゥー教徒として育てるのです。その子たちが立派に成長し、あなたに感謝の念を述べたとき、あなたに本当の赦しがやってくるでしょう。

ガンディーやべぇ。
こういうのって話半分でいいと思うけど、エピソードかっこ良すぎ。

どこまで本当かしらね。

位置: 525
ところがある日、やはり妻と部屋で過ごしている間に、父親が息を引き取ってしまいます。父親の死に目に 遭えなかったことで、ガンディーは生涯にわたって自分を責め続けました。この時の性欲を「黒い汚点」ともいっています。

性欲と嫉妬に塗れることなく、生きていく。
これがあたくしのここんところのテーマです。

位置: 554
そこでガンディーがおこなったのは、仲間とともに共同農場を立ち上げることでした。差別のない、誰もが平等に暮らせる自給自足の共同体を作ろうとしたのです。南アフリカに呼び寄せて一緒に暮らし始めていた妻にも実践を求め、「宝飾類は富の格差を共同体に持ち込むことになるから手放せ」「みんなと交代でトイレ掃除をしなさい」などと指示しました。ガンディーの妻のような上位カーストの人間には、トイレ掃除は非常に 屈辱 的 な行為でした。しかしガンディーは、それを強要したのです。
同時に、自分の欲望を徹底的に抑制するとして、妻との性的な交わりを絶つことを宣言します。「私はあなただけを愛しているのではなく、世界人類を愛しているのだ」というのですが、妻としては傷ついたでしょう。

こういう突っ走るタイプって、やっぱり周りは迷惑です。
知行合一じゃないけどさ、そういうのって辛いよ。

やっぱり半径5m以内を幸せにしていく生き方ってのも大事ですよね。

位置: 597
ガンディーはこの事件を「ヒマラヤほどの誤算」である、といいました。そして、「このようなことが起こるのならインドには独立する資格がない」といって、運動から身を引いてしまうのです。

そしてナイーブっていうね。
なかなか付き合いづらいお人。

ヒマラヤほどの、というと千のバイオリンを思い出すのはあたくしだけじゃないはず。

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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