『菜根譚』 そもそも処世訓にそこまで興味なかった

いや、『100分で名著』とかで紹介されてて、いいなーと思ったんですよ、放送当時は。

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「一歩を譲る」「人にやさしく己に厳しく」など、人づきあいの極意、治世に応じた生き方、人間の器の磨き方を明快に説く、処世訓の最高傑作。わかりやすい現代語訳と解説で楽しむ、初心者にやさしい入門書。

この『角川ソフィア文庫』のビギナーズ・クラシックスシリーズも大好きです。『金色夜叉』『たけくらべ』などは、このシリーズがなければ読めなかったでしょう。

ただ、いかんせんこの菜根譚は『処世訓』なんです。あたくしにはそれほど無用でした。

位置: 10
『論語』が道徳の名言集、『孫子』が謀略の知恵袋だとすれば、『菜根譚』は処世訓の最高傑作と言えましょう。

『論語』に比べれば『孫子』『菜根譚』は需要が限定的に思えます。いや、違うんだ、という意見もあるでしょう。でもね。論理がない人はいないけど、謀略や処世訓は必要ないと思っている。平和ボケと、笑うなら笑え。

位置: 220
全体が前集と後集に大別されるだけで、前集二二二条、後集一三五条、計三五七条からなります。

結構長いね。

位置: 222
内容上の特色は、儒・仏・道の融合、という点にあるでしょう。前集は、どちらかと言えば、俗世の人々との関わりを中心に語ります。儒家の思想にも見られるような常識的な道徳も説かれます。一方、後集には、その俗世を超えた深遠な境地が説かれます。ここには、老荘思想や仏教の色彩も見られます。

へえ。そりゃあ凄い。とにかくいいとこ取りだ。よくそういう新興宗教あるけどね。
宗教も活用し、あらゆる使えるものを使って処世する、というのがコンセプトかしら。たくましい。

位置: 225
中国の思想は、一般には、儒教が主流だと考えられていますが、老荘思想やそれをベースにした道教、そしてインドから伝来した仏教も強い影響力を持っていました。「 三教 融合」という言葉があるように、中国の思想は、必ずしも儒教だけではないのです。中国の文人は、役所にあっては儒教の徒、自宅に帰れば道教・仏教の徒として過ごしたとされます。

そのへん、東洋人はそういう傾向あるかも。一神教の国なんかはもっと厳密というイメージはあるけどね。でもそれも多神教の国の欺瞞かもしれません。

位置: 1,505
楽しさと中庸 口を喜ばせるような美味美食は、みな腸をただらせ骨を腐らせるような劇薬となるが、五分(ほどほど)にしておけば、わざわいはない。心を快適にするような事象は、すべて身を誤り徳を失わせる 媒介 となるが、五分(ほどほど)にしておけば、後悔することはない。 (前集一〇四)

爽口 の 味 は、 皆 爛 腸 腐骨 の 薬 なるも、 五分 ならば 便 ち 殃 無し。 快心 の 事 は、 悉く 敗 身 喪 徳 の 媒 なるも、 五分 ならば 便 ち 悔 ゆる 無し。

腹五分目がよろしい、と。八分目でも多いのかもしれない。今や飢えることはそれほど多くの人にとって問題ではないからね。

位置: 1,520
人の小さな過失を責めたてず、人のプライバシーをあばかず、人の過去の悪事をいつまでも覚えていない。この三つのことを守れば、自分の道徳心を養い、また、危害を遠ざけることができる。 (前集一〇五)

人 の 小過 を 責めず、 人 の 陰 私 を 発かず、 人 の 旧悪 を 念 わず。 三者 は 以 て 徳 を 養うべく、 亦 た 以 て 害 を 遠 ざくべし。

人の弱みにつけこむな、ってね。そのとおりだよ。あたくしはやりがち。良くないとは知っているけど、局地的に勝つために使ってしまう。

位置: 1,687
人 の 詐りを 覚るも、 言 に 形 わさず、 人 の 侮りを 受 くるも、 色 に 動かさず。 此 の 中 無窮 の意味 有り、 亦 た 無窮 の 受用 有り。

深いな。深いよ。ほんと。
もう少し歳を重ねれば、処世訓が必要になる日が来るのかしら。

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都内在住のおじさん。 3児の父。 座右の銘は『運も実力のウンチ』

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