森見さん作品も、森見さん自身も好きな方向け。あたくしはもちろん楽しんで読めましたが。
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森見登美彦氏初の対談集!
10代、20代の読者に圧倒的な人気を誇る森見登美彦氏、初の対談集!
デビュー以降各雑誌に掲載された、いまやほとんど読むことの出来ない対談を一挙収録。
対談相手は劇団ひとり氏、本上まなみ氏、大江麻理子氏、萩尾望都氏、羽海野チカ氏、
うすた京介氏、綾辻行人氏、綿矢りさ氏、万城目学氏など14人。十年前の森見登美彦氏と現在の森見登美彦氏が対談する小説「今昔対談」も特別収録。
彼がいかにして彼の作品群をかきあげたかがつぶさに書かれています。
彼の苦悩なんかが、たまらない人にはたまらないでしょうが、まぁ、ファン向けですよね。
p31
自分の人生にとって重要な本のうち一冊。
万城目 これは何と言っても中島敦(※2)。まず、高校のときに「山月記」を読みま すよね。
森見 教科書に載ってますしね。
万城目 そのときは難しくて何となく読んだんですけど、僕が一番好きなのが「悟浄 歎異」という沙悟浄が「三蔵法師と孫悟空すごいわあ」って感嘆するやつなん ですけど。
山月記はまさに戦前の森見作品ですよね。あの悲しみが、10代にわかるかしら。
p122
神山 森見さんの最新作『恋文 の技術』は、究極の構造を有した小説だなと思いました。往復書簡の「復」の 方をばっさり削って、「往」の手紙だけで物語が出来ているでしょう。これだけ行間 を空けた小説は、史上初じゃないでしょうか。
森見 なるほど!そうかもしれない。構造が行間であるという論は、すごくよくわ かります。『恋文の技術』は、夏目漱石の書簡集から着想を得ているんです。全集 に、漱石がいろんな人に送った手紙が収められていて。彼が一方的に送りつけただけ の文章で、相手はいないのに、漱石と相手の関係が見えてきて、その結果、夏目漱石 という人間が色濃く立ちのぼっているんですよ。
そこはかとなく立ち上る明治の香りは漱石や内田百閒から来ているとは知っていましたが、恋文の技術が漱石の書簡集から来ているとは。気付かなかった。
ファン垂涎の対談集ですね。
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