『白ゆき姫殺人事件』感想 途中で分かった!

久々に犯人が明かされる前に分かりました。ふふ。

化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人々への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌報道は過熱する一方。匿名という名の皮をかぶった悪意と集団心理。噂話の矛先は一体誰に刃を向けるのか。傑作長編ミステリー。

次々に色んな人が出てきてライターである筆者に独白するんですが、明らかに「本筋と関係ない人」が出てくるんで、わかりやすかったですね。

ちょっと残念なのはSNSの活用について。
ちょっと無理してSNS出している感じがしました。Twitterってもっと軽いノリのものが多いから、この手のミステリに出てくるとちょっと作品観のじゃまになるかも。

位置: 1,743
ダイアナっていうのは、アンの唯一無二の親友の名前だったんじゃねえか。でもな、オレはダイアナじゃなくギル……。  ――あーあ、ゲームオーバーだ。昔話も終了。まあ、おまえのヘタレっぷりは知ってたけどな。

位置: 1,759
おまえ、『白ゆき』石けんの会社に知り合いがいるんだろ。サコだっけ? アンの実名までさらしやがって。もう一度、そいつに話を聞いてみろ。

位置: 1,763
オレのマンマローネーム? あててみたら。  ダイアナ? オレをそう呼んでいいのはアンだけだよ。  正解は、ハ……。やっぱ、教えてやんない。

SNSはマンマローって名前か。あんまり謎のトッピングにはなりませんでしたね。

位置: 2,070
明日、謝ってくれたら「もういいよ」と言おう。そう決意して学校に行くのに、いざ目の前に江藤くんがやってきて、ゴメン、と言われると、私の口からは「許さない」という言葉が出てきました。「もういいよ」と言わないかぎり、彼は毎日、私のところにきて声をかけてくれる。

ちょっとこの話好きなんですよね。つなぎとめるために許さない。
なんだか切なくていい。

位置: 2,330
始まりは、三月三日の給湯室でした。 「城野さん、芹沢ブラザーズの初日のコンサートに行ってみたいって言ってたよね。実はわたし、明後日の初日のチケットを雅也にもらってるんだけど、風邪気味で東京まで行くのは辛いから、代わりに行かない? 最前列よ」

そして白雪姫の正体があきらかになる。このへんのどろどろ感はさすがに湊かなえ氏。素晴らしい。しかし、ミステリとしてはいま一歩かな。湊かなえ作品として読む分には良いと思いました。

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