チャンドラーの『長いお別れ』 あたしにゃ合わないな、これ。

読むのが辛い

ミステリーで面白いの読みたいな、なあんて作品をあさっていると、名作と言われる古典にたどり着きました。

[amazonjs asin=”4150704511″ locale=”JP” title=”長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))”]

村上春樹訳でも有名なこちら。チャンドラー氏の本ですね。
知らなかったけど、コードギアスの「打っていいのは打たれる覚悟のあるやつだけだ」ってチャンドラーの引用なんですね。かっこいいセリフ。

そんな浮かれポンチ気分で読み始めたのが、災難の始まりでした。

とにかく長いし、文体が好きになれない

読み始めて思ったのは、とにかく長いし読みづらい。

私もオフィスを閉めて、ラ・シェネガの〈ルディのバー・B・Q〉に車を走らせ、給仕頭に名前を通しておいて、バーの腰かけに腰をおろし、ウィスキー・サワーのグラスを前におき、マレク・ウェーバーのワルツを聞きながら、順番を待った。しばらくしてから、私はビロードの綱がわたしてある入口を通って、席につき、ルディご自慢のソールズベリー・ステイキを食べた。焼けた板の上におかれたハンバーグ・ステイキで、褐色に焦がしたマッシュド・ポテトでかこまれ、輪切りの玉ねぎのフライとミクスド・サラダがついていた。そのミクスド・サラダは料理店で出されればおとなしく食べるが、家庭で細君が食べさせようとすれば、だれでも大声でどなりはじめるようなものだった。

こういう長ったらしいクドクドした文章が延々と。
何度読むのやめようかと思ったことか。
でもアマゾンとかみるとすげぇ高評価だったりするんで、理解できないあたくしが悪いんでしょうね。

 朝になって、私がベッドから起き出して、コーヒーをわかしていたとき、彼女はまだ眠っていた。私はシャワーを浴びて、顔をそり、服を着た。それから、彼女が起き上がって、いっしょに朝食をとった。私はタクシーを呼び、彼女の旅行カバンをぶらさげて階段をおりた。  私たちは別れの挨拶をかわした。車が角をまがるのを見送ってから、階段をのぼって、すぐ寝室へ行き、ベッドをつくりなおした。枕の上にまっくろな長い髪が一本残っていた。腹の底に鉛のかたまりをのみこんだような気持だった。  こんなとき、フランス語にはいい言葉がある。フランス人はどんなことにもうまい言葉を持っていて、その言葉はいつも正しかった。  さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ。

村上春樹って感じですよね。
きざったらしい言い回し。どうも好きになれない。くどいけど、油っこくない、みたいな気持ち悪さ。

漱石とかと比べると、文章のリズムが日本語にすごく合わない。
外国文学の翻訳だからかな。あまりに、すっと懐に言っていることが入ってこない。

でも最後まで読みましたよ

途中まで読んだし。それに、癪だし。
ストーリー自体はそこそこ読ませるけど、話の落とし所は未だに納得いきません。

「いろいろあったけど、酔っぱらってて、覚えてませんでした」

って、それってミステリーとしてどうなの、というね。ミステリーじゃないのか。

私はその後、事件に関係があった人間の誰とも会っていない。ただ、警官だけはべつだった。警官にさよならをいう方法はいまだに発見されていない。

最後の最後まで格好いいね。

でも、あたくしにゃハードボイルドはまだ早いわ。
カウボーイビバップとかスペースダンディくらいが、ちょうどいい。