”アニメを漫画化しました”という以上のクオリティ、そして畳み方でしたね。
名作。
西暦2000年、南極に隕石が落下。かくして有史以来の大カタストロフィー「セカンド・インパクト」が起こった。それから15年、新たな危機が人類を襲う。「使徒」襲来である。使徒に対抗すべく、人類は汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」を開発。そして、パイロットに選ばれた「3人の少年少女」たちの戦いが、今、始まる――。
言いたいことはほとんど、岡田斗司夫氏に言われてしまっています。
岡田さんとほぼ同意見。
あたくしも、冬が来たことにゾッとしたし、物語の畳み方も上手だと思ったし。
何より、「終わった」と思える初めてのエヴァに会えたと思います。
岡田さんと違って、まだまだ理解できない部分が多すぎて気持ち悪いけど。
リリンとかリリスとか、未だに何のことだかわかんない部分があるし、そもそも”補完計画”にのっかってゲンドウがやりたかったことが、イマイチ分からない。
漫画だって非常に難解ですよ。
あたしゃ結局、アダムとリリスが触れるサードインパクトを、どうしてゲンドウやゼーレは起こしたがっていたのか理解できてないし。
この漫画版、というか貞本版のエヴァは、『Air/まごころを君に』を元に解釈し、平易にして出してくれてるということは、ある程度客観的なものだと思うのです。
とはいえ、かなり登場人物の描き方に解釈が入ったものになっていて、ゲンドウの嫉妬やカヲルの使徒っぷり(非人道的ぷり)は原作より分かりやすくなってて、膝を打つような気持ちになりました。
なにより、最後にちゃんと「新世紀」を「エヴァンゲリオン」したこと(?)で、本当に終われた気がしました。おれたちのエヴァンゲリオンがいよいよ終わった、とね。
従来のエヴァのラスト、つまり、アスカの首絞めたりおめでとうありがとうだったり、そのへんよりはだいぶスッキリしてて。
謎な部分はまぁ、深読みが好きな人に任せておいて、ロンギヌスの槍のフォルムの格好良さとか、スケールのでかさとか、中二的な設定の可愛らしさとか。
そういうのを肌で感じ、頭では最後ちゃんと「エヴァンゲリ」ったことで納得。
なかなか多面的に楽しませてくれる、いい仕事ですなぁ。
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